ライブツイートログ11【 特攻装警グラウザー打ち明け話① 】
さて! そろそろ始めるか!
拙作『特攻装警グラウザーの打ち明け裏話』
レビュー獲得記念号
お待ちどうさま!
待ってた人もいらっしゃるみたいで。ではぼちぼち始めたいと思います。
今回は気楽に行こうと思います。
では!
さて――
まず最初は『作品発表前夜』について
そもそものグラウザーと言う作品の創作の出発点から始めたいと思います
そもそものグラウザーと言う作品の出発点ってなんだと思う?
① 25% 石ノ森章太郎御大の傑作・ロボット刑事
② 50% 今なお語り継がれる奇作・コマンダー0
③ 25% ハリウッドの禁じ手・ロボコップ
④ 00% それ以外の何か!
ご回答ありがとうございます
実は4番の『ビバリーヒルズ・コップ』です。
マジで
① 33% はァァァ??(@_@;)
② 00% 詐欺だ!!٩(๑òωó๑)۶
③ 33% どう言う事? (゚Д゚)ハァ?
④ 34% 寝言は寝てから言え (´・ω・`)
怒らないで、本当だから。
厳密にはスタート時点でのイメージ源泉はロボット刑事なんだがそこからグラウザーに至るための分岐点としてワシの頭のなかにあったのが『ビバリーヒルズ・コップ』なんです。まずはそこから説明する
そもそもグラウザーを書こうと思ったスタート時点での思惑というのが『日本の特撮ヒーローでも、ハリウッドのSFやアクションに負けないくらいのクオリティで作れるはず!』と言う意気込みから出てきたんです。で石ノ森師匠のロボット刑事の現代リニューアルと言うのを妄想してみたのが始まり
ただ――
『ロボット刑事原典の昭和中期のイメージをそのままリメイクしても古臭いだけだよなぁ、うーん』
(石ノ森ファンの諸君ごめんなさい)
『もっと現代的なイメージ……もっとスタイリッシュな……ん?』
(雑誌に載ってたビバリーヒルズ・コップのアクセル刑事)
『これだ!』
そっから始まった
もうおわかりだろう。
特攻装警第1号機のアトラス、ダッジ・バイパーを乗り回し、フライングジャケットを着込み、デザートイーグルを振り回す
メカニカルな外見から来るハンデを抱えながらも、困難を一つ一つ乗り越える――
グラウザーシリーズの最初期のイメージはここで出来上がったのである
実はビバリーヒルズ・コップからフィーチャーしてるファクターは何もハリウッドの的なアクション要素だけじゃない。物語要素としてもっとコアなものを取り入れている。
それが――
『差別』である
グラウザーと言う作品において重要な位置を占めるのが
『サイボーグ』であり『アンドロイド』だ。
サイボーグは一般市民が闇社会において他人を圧倒できる力を手に入れるための手段として描かれている。その一方で、アンドロイドは人間を補助し、問題解決の手段として社会の中で重宝されている。すなわち、グラウザー世界においてアンドロイドは人間に服従しつつ人間の超える力で人間を豊かにするための手段としてのみ存在を許されている。
作中、証拠隠滅機能で焼かれてしまったメリッサを前にして、彼女の悲惨な運命を痛むフィールの姿がある
すなわち
――与えられた役割に満足できている私たちはまだ幸せだ――と――
グラウザー世界においてアンドロイドとは万能の超人ではない。
差別され、支配され、役割を固定化された不自由な存在なのである
それがグラウザーと言う作品を書き始める上でビバリーヒルズ・コップから得られたストーリーファクターであり、今なお作中で書き続けているテーマなのだ。
実際、翻って見てみるとロボットのヒーローって悲惨な末路を辿ってるのが多いんだコレが!
実例をあげると――
超人機メタルダー ⇒ 重要メカを修復不能にされて再起不能、そのまま山ごもり
宇宙鉄人キョーダイン ⇒ 敵のラスボス目掛けて肉弾特攻
大鉄人ワンセブン ⇒ キョーダインに同じ
ジャイアントロボ ⇒ 敵のボスを抱きかかえて宇宙空間にて自爆
キカイダー/キカイダー01 ⇒ 敵組織解決後、いずこえともなく失踪
電人ザボーガー ⇒ エネルギー枯渇後奇跡の再起動、しかし無理がたたって自爆
ロボット刑事(書きたくない)
特捜ロボジャンパーソン ⇒ あとで書く
燦々たる有様である。
再起不能、特攻、特攻、自決、失踪、自爆、意味不明
もっと大切にしてやれよ・・・
しかしなぜこうなるのか? そして、なぜこんな悲惨オチが連綿と許されるのかと言えば理由はコレに尽きる
『ロボット/アンドロイドは突き詰めると道具であり、役割を果たすと存在意義がなくなる』
――と言う悲惨な現実が待っているからである。
すなわち敵対存在を排除する事に成功したら、人間でないにも関わらず、危険な戦闘能力を有したロボットヒーローは、人間から見れば危険な存在でしか無い。華々しく散って綺麗さっぱりと言うわけだ。
悲しすぎる。
だがそのアンドロイドヒーローの悲惨な運命に真っ向から挑戦状を叩きつけた作品がある。それがメタルヒーローシリーズに登場する
『特捜ロボ・ジャンパーソン』である。
実はこの作品からもグラウザーは大きな影響を受けている。
主人公ジャンパーソンは正体はMX-A1と言う警視庁により作られた犯罪撲滅用の戦闘アンドロイドだった。だが、知能システムに不備があり戦闘行為のコントロールができず、敵を完全破壊するまで戦闘が止められなかった。これが問題視され一度は廃棄される。
だが開発者の中のひとりの女性が『アンドロイドにも心は宿るはず』と信じて、密かにMX-A1を回収、修復すると、善悪の判断と人間的なコミニュケーションをイチから教育。すぐれた人格を宿すことに成功する。そして『ジャンパーソン』と言う名を与えると、謎のヒーローとして世に送り出したのだ
その後もジャンパーソンは犯罪と闘い続けるが、心と善悪の判断があるがゆえに敵に遅れを取って苦戦するケースが度々登場する。
そしてジャンパーソンに立ちはだかるのが、自らを戦闘サイボーグ『ビルゴルディ』に改造した富豪・九能帯刀だ。
心を宿したアンドロイド・ジャンパーソン
善悪の判断を捨て悪に特化することを希求したサイボーグ・ビルゴルディ
この2項対立が、特捜ロボ・ジャンパーソンと言う作品の面白さであり、重要テーマなのだ
ラストでジャンパーソンはビルゴルディに勝つために自分の中枢部の一部を破壊、人格システムの善悪判断の部分を排除すると完全なる戦闘体へと変わり果てる
そして激戦の後にビルゴルディに勝利するのだが、もうすでにジャンパーソンに心はない。善悪の判断も情緒もない。破壊されるしか無いのだろうか?
だがそこで救われるラストが待っていた
ジャンパーソンに心を与え、人間性をもたらしていたのはプログラムでも電子回路でもない。人間と関わり合いお互いを慈しみ合ってきたと言う事実であり、その事実に基づいた『記憶』と『経験』だったと言うラスト。ジャンパーソンは無事、心をとりもどすのだ
そしてラストシーン
武器を外し、戦闘機能を外したジャンパーソンは、平和が戻った街の片隅で子供達の為にケーキを創りパーティーを開いていた。彼の幸せそうな顔がとてつもなく印象的なラストなのだ。
全てのヒーローの中で最もお気に入りのラストシーンである
マニアックなお話ですまん
そろそろオチとして締める
心を持たないはずのロボット/アンドロイドが少しづつ成長し、人格と人間性を獲得しようとする。だが人間でないが故のハンデと壁に幾度も苦しめられる。挫折し、苦悶し、何度も悩む。だがそれでも己に求められている存在理由へと回帰し、諦めること無く何度も立ち上がる――
それが特攻装警グラウザーと言う作品に込めた最大のテーマなのである。
さて今回はこれで終わりである
手前勝手な打ち明け話にお付き合い頂き大感謝である。
次回の特攻装警グラウザーは1月12日の金曜日の夜九時半公開予定である!
頑張って執筆する!
さてそれではこれにて!!
ζ
■D:美風