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あけましておめでとうございます!

あけましておめでとうございます!

本年もよろしくお願いします!

美風慶伍

今年も小説に支援サイトにがんばります!
[ 2017/12/31 23:59 ] インフォメーション | TB(0) | CM(0)

ライブツイートログ7【 プロット教室『3つの幕と真ん中の点』③ 】

#ライブツイート講座
#プロット教室

さて、そろそろ準備するか。

ツイッターの前のみんな、準備はいいかーい?

それじゃさっそくはじめます

ライブツイート講座
プロット教室第3回『3つの幕と真ん中の点』

第3幕――結末について

はじめるよーーー

OK?

さて。映画『ルパン三世カリオストロの城』を題材にプロットについて考察するこの講座
いよいよ、締めの第3幕目についての解説となった

つまり
1:序:発端
2:破:進行と転換
3:急:解決

の3の急:解決――の部分だ

その前にカリオストロの城のプロットを再度掲示する
 
カリ城第1幕 カリ城第2幕
カリ城第3幕 
ツイッターの表示形式が微妙にかわったのでつかいづれぇ・・・(# ゚Д゚)

さて
序破急に分けたプロットは確認できたかな?
確認できたら第3幕の部分を見て欲しい。

OK?

じつはこの第3幕では全く新しい要素は何も加えられていない。

婚礼の儀、
大司教の来訪、
国際中継、
銭形とICPOの確執、
ルパンとクラリスの馴れ初め、
伯爵の真の野心、
ゴート札の存在、
カリオストロの暗殺の歴史

――これらはすでに序と破の段階で語られたものばかりである。

実は第3幕というのは、序と破の部分で貼られた伏線があってこそ成立するセクションであり、伏線回収が成功してこそ、綺麗に成り立つ部分なのだ
特に危機的状況の解決のための『解決手段』と言うのは、結までの部分ですでにヒントが与えられている必要があるのだ

ルパンの場合は不二子が与えた『大司教の来訪』と言う部分だ
さらに銭形に対しては電話でルパン逮捕なら大手を振って突入できるとヒントを与えている
実はこの銭形突入に不二子がついて行っているシーンがラストでの不二子の原盤奪取につながっており、二重に連鎖した伏線となっているのである

実はプロット作成において最も苦労するのがこの『伏線』である

伏線の提示にはいろいろな手段があるが、
要は『クライマックスの解決』のための解決手段を『事前に仕込む』事が
伏線の主たる役割なのである。

本編を執筆してからでは伏線は貼れない
文章を起こす前に伏線を成立させるためにこそ、プロット作成と言う作業が必要なのである

この第3幕でレクチャーできる要素はたったひとつだ
『第3幕で描く要素は、全て第1幕・第2幕にて準備済みの物のみとする』
これは絶対に守らねばならない

OK?

さて、商業作品でこのルールが守られなかったばっかりに、最終回が台無しになってしまった作品がある

合体ロボットアニメの名作『コンバトラーV』である。

敵勢力キャンベル星人のボス、ジャネラ女帝は自分が死ぬ時に、
地球を破壊できるほどの巨大核融合弾を作動させる。
絶望するコンバトラーチームたち。

ところが――

キャンベル星人の穏健派を名乗る神様みたいなのが登場、不思議な力でいきなり巨大核融合弾を消滅さてしまう

この穏健派の存在はまるっきり前フリ無しで事前伏線もゼロ。
最終回の一番ラストに突然出てきたのだ。感動もへったくれもあったものではない。主役たるコンバトラーVの面目は丸つぶれで終わる。

つまりだ――

こう言う終わらせ方を『デウス・エクス・マキナ』と呼び『機械仕掛けの神』とも呼ぶ。

シナリオの伏線回収も無く、事前前フリもない要素で、物語の締めを強引に行うことをこういうのである

この手段で作品を終わらせてバッシングを受けた作品はけっこうあるのだ

少年ジャンプでヒットしたギャグマンガ

「ハイスクール奇面組」

フジテレビ系のアイドルが主題歌を歌ってヒットもしてる。

長い連載の後に、最終回のラストで「ヒロインの見ていた夢でした」といきなりの夢オチを敢行。単行本ではラストを書き換える羽目に陥ってる

そして、伏線を貼るだけ貼って、回収せずに逃げ切ったのが
旧作の新世紀エヴァンゲリオンである。

これについてはアレコレ言う必要はないとおもう

謎をちりばめるだけ散りばめて意味不明のラストシーン
あれではファンは怒るの当たり前である

伏線における『謎』とは

プロット作成における『借金』である

読者から『興味』と言う利益を前借りしているのである。

借りたものはシッカリと返さなければらない。
それも読者・視聴者が納得する方法でだ。

そして謎を謎のまま放置する場合でも『借金の踏み倒し方』と言うのがあるのだ

謎だらけのストーリーでありながら借金を返さずに見事に華麗に踏み倒しきった名作がある。

富野由悠季監督のつくった傑作『無敵鋼人ダイターン3』である。

次に説明する

ここまでOK?

解説している人間が古いからねスマン

実はダイターン3は序と破の部分で――

主役の波乱万丈と、敵サイボーグ・メガノイドの開発者は元々は『同じ家族』
万丈の父はマッドサイエンティスト(後に行方不明)
母と兄はメガノイド開発実験の犠牲となった
メガノイドの首領の二人は『夫婦』
サイボーグ・メガノイドはメガボーグと言う巨大ロボットに変形できる

――と言う伏線がはられている

これらの伏線から

敵首領夫婦は波乱万丈の行方不明の両親の成れの果てなのでは? と言う憶測を視聴者に与えることになる。そしてこの『謎』は最終回まで引っ張られ視聴者をガッチリと掴んでしまう

さらには主役ロボのダイターン3ってもしかして、万丈の兄さんのメガボーグなんじゃないの? と言う憶測すらできてしまう。

そこから最終回では『兄の亡骸を使って、父と母の成れの果てと戦う主人公』と言う悲劇的な構図を『視聴者の疑念の中だけで』成立させてしまうのだ

事実最終回は悲惨なもので、正義のロボット物にありがちな
『平和が戻ってきた! みんなの勝利だ!』
みたいな感動はまるっきり無い

最終先頭で敵を倒し、心身とも擦り切れてしまった波乱万丈がどこにも出てこないと言うラストにつながる

そしてアニメ史に残る感動のラストを成立させているのだ

もう少し横道にそれる

最終決戦を終えて地球に戻ってくるが、主人公たる波乱万丈は消息不明のまま。
そればかりか万丈が運営していた波乱財閥は活動停止、解散の憂き目に会う。
二人のアシスタントも、万丈を慕う少年も、そして極めて有能な執事も万丈の下を去ってしまう
誰も居なくなった万丈邸、それを執事のギャリソン時田が鍵を締める。

そして、万丈邸前でバスを待つ時田の背後で、朝焼けに照らされた万丈邸がうつる
その万丈邸の端、テラスのある部屋で朝日に映し出されて一人のシルエットが映る。
だがそのシルエットが何者なのかは描かれない。
あれは地球に返ってきた万丈本人なのか?
万丈は幸せになったのか?
すべてが語られず、余韻の中で物語は終わる。

単なる勝利譚に終わらない大人の余韻に満ちたラストシーンである

この『視聴者の憶測の中で謎の真実を成立させている』と言うのがミソである。

『結論と真実ってこういうことじゃないの? こうだったら納得できるんだけど』と言うところまで視聴者・読者の思惑と関心を持っていくとに成功しているのである

だが富野さんはこの謎をあえて解説しない

『本当はどうなのかは貴方が考えてください』

――と言うスタンスで一切に口をつぐんだままなのだ!

これが『謎』と言うものに責任を持つというあり方であり、説明責任何もなく〝まとめきれなかった〟と言う残念感だけを残して終わった旧エヴァとの根本的な違いなのだ。

(以上、個人的脱線終了)

脱線、してすまん

さてカリオストロに戻る。

カリオストロの城で貼られていた伏線について説明する

人物について
クラリスはカリオストロの大公夫婦の娘
大公夫婦は火事で死亡
クラリスは修道院で暮らしていた、
だがカリオストロ伯爵との婚姻の為に連れ戻された
カリオストロ伯爵は公国の闇を担っている

犯罪:
ゴート札の存在
公国の裏事業としてのゴート札
公国は国際社会に影響力を持っている

お宝:
クラリスの指輪と伯爵の指輪、それが合わさって秘宝が手に入る
指輪には秘宝の謎が仕込まれている

婚礼の儀:
伯爵主催でクラリスとの婚礼が強行される
その際に法王庁の大教皇が来訪する

ルパン関連:
ルパンはカリオストロにて過去がある
ルパンとクラリスは面識がある
ルパンもゴート札を狙ったことがある
銭形の行動はルパン逮捕のためだけに許可される

―だいたいこんな感じ

これらの伏線が回収へと向かい始めるポイント――
それが前回説明した『ミッドポイント』なのである

ミッドポイントは、お話の折り返し地点と呼ばれているが、
それはこの伏線回収に絡む部分もある。

ミッドポイント以後、それまでの貼られた伏線や謎が順次解き明かされ、
またクライマックスでの危機的状況の解決には、事前に伏線で貼られている事が求められる――

ここまでは理解できたとおもう

そして、最終決戦が集結し、危機的状況が解決し事態が好転する
(ハーフハッピーエンド、アンハッピーエンドの場合はこの限りではない)

そして事態解決の後に訪れるのが『ラストシーン』である

カリ城の場合、ラストシーンはルパンがクラリスを抱いたまま水路入り口へとたどり着くところから始まる

実はカリ城は、このラストシーンに本作最大の伏線にして謎の解決を持ってきている。

つまり『カリオストロに隠された秘宝とはなにか?』と言う謎である

これがあるからクラリスは伯爵に狙われ、ルパンも公国へとやってきたのだ
そしてそれが湖底に眠る古代ローマの遺跡だと明かされる

それはルパンのような一介の泥棒には身に余る物であり、その時点でその秘宝を担うのがクラリスの役目なのだと視聴者に暗に匂わされている

そしてその後のシーンでクラリスのルパンへの告白とつながる
だがそこでルパンはクラリスを拒む。抱きしめずに別れを告げる

このクラリスの求愛の拒否と、秘宝がルパンにはそぐわない身に余る巨大な物だと言う事実はリンクしている。
これもまた伏線であり、クラリスがルパンにとってあまりにも身に余る存在だという事実を突きつけて最終シーンの締めとしている。

そして観客は知るのだ

『ルパンは英雄ではない。泥棒と言う犯罪者なのだ』と――

ここに作品の根源的テーマと方向性である

『泥棒を主役にした冒険活劇』

と言う要素の消化と解決が見られるのだ。

すなわち――
作品のラストシーンは単なる終焉ではない。
作品の根源的テーマを最終解決する、最大のメインテーマ回収セクションなのである。

そしてさらに言うなら

作品の全ての伏線の要素は最終ラストシーンに帰結するのだ

この事を十分に考えるとラストシーンの重要さがよくわかると思う。

さて、今回はここまで、
次回でいよいよ第3回のラストである。
つまり――

『作品のプロットテーマの消化と、ラストシーンについて』

――である

プロット教室の最初にて『テーマ』と言う言葉を使って若干の混乱を起こしてしまったが、アレのリターンマッチである。

作品を書き始める場合、スタート地点が必要である
そしてその作品全体の向かうべき方向性を把握し、プロット構築の主軸となるもの――それが『プロットテーマ』である。
この場合のテーマとは『作品の根源的要素を文章として短く示した物』だ。

いわゆるテーマ性とかメッセージ性のことではない

作品のアイディアや構想をこのプロットテーマに起こすところから全ては始まるのだ。

さて、今回は以上だ。
次回は予定変更がなければ12月23日だ。よる9時から開始する

さてここでお知らせである!

サンクス・スクエア主催掌編小説コンペ『11枚小説』

第1回目を来年1月末に開催する事となった!!

来週週明けに詳細内容をサンクス・スクエアにて告知する!

美風初の小説コンペ主催である!1

それともう一つ!!

わたしは古い世代の人間なのでどうしても題材が古くなる

ツイート講座をご覧の方の中で題材として出して欲しい比較的最近の作品があったら推薦して欲しい。
(マジで)

できれば映画の方が助かる

どうかご協力願いたい。

さてでは今日はこれにて終了である!
お疲れ様でした!
 
[ 2017/12/17 09:17 ] ライブツイートログ | TB(0) | CM(0)

ライブツイートログ7【 プロット教室『3つの幕と真ん中の点』③ 】

#毎週定期開催
#ライブツイート講座
#プロット教室

みんなー! 準備はいいかーーー!!

では美風慶伍のライブツイート講座
プロット教室、通算第5回目
『3つの幕と真ん中の点』
はっじまーるよーーー!

この最初のレスが返ってくるまでの時間が何とも(;^ω^)

さてさてではさっそく始める。
プロット教室の第3回『3つの幕と真ん中の点』

プロットに序破急に相当する3パートについての開設だ。
前回は第1幕について説明した。

カリ城第1幕 
①序:発端

――の部分だ。

ここまではOK?

プロットの題材には金曜ロードショーのおなじみ、
カリオストロの城を扱ってる。

前回、第1幕のプロットを掲載したのでまず再掲する

前回を要約すると

第1幕では
 1:ツカミ
 2:5W1Hの状況説明と情報共有
 3:登場人物の紹介とキャラ立て
 4:お話全体を引っ張る『ネタフリ』
――が行われ、それらを前提として『事件』が発生する。
 そして、その事件の結末をもって第2幕へとお話を結びつけていく。ここまでが第1幕

そして、第1幕のラストで発生した事件をきっかけとして第2幕の序盤に発生する問題へとつながる。そしてお話の本筋である第2幕――

②破:進行と転換

――へとつながっていく。
カリオストロの城の第2幕:破について書いたプロットが以下である。

カリ城第2幕 

非常に中身が濃く、怒涛のように事件と出来事が発生しているのがわかると思う。

そしてこれが物語の〝序盤〟と〝急展開〟を繋ぐ〝破〟の部分なのである。

さてそこで質問だが――

小説のプロットを書いていて、

序盤のキャラ立てはなんとかなる。

終盤のクライマックスでの盛り上げもどうすればいいかは想像つく

だが『その序盤とクライマックスをどう繋いだらいいかが分からない』

と言う人は居ないだろうか?


分かりやすい程のお答え。ありがとうございます。

ここでまず、カリ城の第2幕の流れについて考察してみよう

カリ城のお話の骨子は、ルパンの窃盗劇である。

つまり目的となるお宝の在り処へと侵入し、お宝を探し、困難をのりこえて盗み出し、目的地から脱出してくるのがキーフレームである

そして、そのお話のキーフレームの土台となる――

・人物/状況説明
・登場人物たちのキャラ立て
・お話全体を貫く『ネタ振り』

――を行うのが第1幕である。

つまり第1幕にて第2幕にて必要なものがちゃんと用意されていれば第2幕は動き出すのである

そして、カリ城においてなされているネタ振りは

1:カリオストロ公国と言う国
2:偽札・ゴート札
3:公女クラリス
4:カリオストロ伯爵とクラリスの婚礼の儀

――が挙げられる。

そして、それらを動かすためのキャラとして、

ルパン一味+銭形+埼玉県警機動隊
クラリスと、クラリスゆかりの庭師の老人
カリオストロ伯爵
城の衛兵
暗殺者・影

――が出揃う。

そしてネタ振りを主役であるルパンが動かす事で第2幕が進むのである。

ここまでおK?

先に核心から書いてしまうが

第2幕:破は進行と転換である

2つに分かれているのである

つまり第2幕ではクライマックスに向けて一本調子で順調に進んでいるわけではなく、途中にて一旦、イベントが発生するのである。

前半でおこなわれるのが、
まず問題解決への行動である
第1幕の終盤で発生した事件は、お話全体に関わる問題解決を深刻化させる出来事であり、それを回避、ないしは解決するために主人公が行動を起こす。

すなわち、決断し、時には葛藤し、障害を乗り越えてひたすら進むのである。

カリ城のルパンの場合、
貯水池の入り口からルパンと次元が侵入し、クラリスが監禁されている部屋へとたどり着き、地下へと落とされても銭形と共闘して脱出に成功、再度クラリスを救助しようと向かうまでがそれである。

途中、いつかのトラブルが起きるが、何れも大きな問題とはなっていない

むしろ、再び、クラリスのところへとたどり着くまで、ルパンの心境に変は無く、まっすぐに〝お宝〟へと向けて果敢に挑んでいるのである。

これが第2幕前半である。

だがそこに投下される巨大イベントがある

【ミッドポイント】である。

ここまでOK?

実は第2章にていちばん大切なのが、このミッドポイントの存在である

お話の折り返し地点と言っていい。

実は第2章は一本調子でクライマックスへと進むわけではない。

比較的順調に進んでいた主人公たちの行動や物語にひと波乱が起き
主人公たちに心境的な変化が現れるのである

この心境の変化をもたらす事件こそが『ミッドポイント』である

だから物語に盛り上がりがある著名な作品を見ていると中盤のど真ん中にて大きな事件が起き、それにより主人公が強く心変わりして、
それによりクライマックスへと新たに強い意志と目的意識で、行動を再開しているのである

例をあげる

天空の城ラピュタだが、
主人公パズーの心境の変化から見ていると大きなターニングポイントになる事件がある。
ムスカによる拉致である。

シータは奪われ、金銭をあてがわれて保釈され、意気消沈で帰宅する
そこに現れるのが空賊のドーラ一味、そして船長のドーラおばさんである

このドーラおばさんとの邂逅により、パズーの心に大きな変化が起きる。

そしてシータの救出とラピュタ到達へと向けた強い意志がパズーに芽生えるのである。

そしてここから劇的にシータの奪回、空賊への加入、ラピュタへの出発とつながり、父の旅路を追いラピュタへ到達へと向かうのである

例をもう一つ

仮面ライダーWのビギンズナイトだ

左翔太郎は師匠であるおやっさんの変身である仮面ライダースカルに出会い敗北、否定されることで打ちのめされる。

そしておやっさんが死んだ思い出の地へと赴き感傷に浸る。
だがそこにフィリップが現れ口論となり、その末に和解するのだが――

そこでフィリップは翔太郎にこう問うのだ。

『もう一度聞くよ? 悪魔と相乗りする勇気あるかな?』

そして翔太郎はそれに誠実に答えて再び、探偵として事件解決のために立ち上がる勇気を取り戻すのである

これが『ミッドポイント』の一例である。

ここまでOK?

さて、カリ城の場合はどうだろうか?

ルパンの心境と言う点で見るなら
大きなターニングポイントとなるのが

『2度めのクラリスへの接近と、狙撃による負傷、そして、指輪の強奪』

である

そこまでどんなトラブルにあっても
『空だって飛べる』と豪語して乗り越えているルパン
だが――

それが徹底的にうちのめされ瀕死になり、クラリスという目的としたお宝も、紋章の指輪も奪回されてしまい、ほうほうの体で逃げ出す羽目に陥るのである。

この時、ルパンは身も心もズタズタである。

このミッドポイントでの変化は色々とある、
挫折からの再起、
散り散りとなった仲間の再集結
絶対的な敗北、不屈の復活

具体的にはこうだ――

ラピュタのミッドポイントはキーは『心理的成長』だ

子供の世界の中での逃避行からムスカという大人に阻止され撤退
だがドーラと会い負け犬根性を喝破され覚醒する
故郷を捨てる覚悟を決め、大人でも子供でもない自分自身として
シータを奪回、そして父と同じ『冒険者』としてラピュタへと旅立つのだ

仮面ライダーWビギンズナイトのミッドポイントは『再確認』

絶対的な心理的ささえであった師匠鳴海荘吉、そのおやっさんに敗北し否定されることで探偵としての自尊心を失う。
だがそこに現在の信頼できるパートナーであるフィリップと衝突し
なぜフィリップと相棒となったのかを再確認することで――
自らの探偵としての出発点と動機とポリシーを取り戻し
再び『帽子の似合う探偵』として戦い始めるのである。

ならばカリ城の場合はどうだろう?

カリオストロの城のミッドポイントは『敗北』と『不屈』である。

僅かな隙を見せたことで老獪なカリオストロ伯爵とその手下たちにまんまとしてやられ、すべてを奪われるルパン。
だが、彼はそれでも折れない。一度盗むと決めた〝お宝〟に向けて、死に物狂いで再起を目指す。そして――

婚礼の儀の際にバチカンから大教皇が派遣されるとの情報をえて、
泥棒として再度、お宝を盗むための挑戦をしかけるのである。

まずここまでOK?

そして、ミッドポイント以後の後半。

どん底からの復活、
心理的な変化、
そして、問題の最終的な解決のために新たな解決策を主人公たちは獲得する。

そして来るクライマックスへ向けて、
最大の障害を乗り越え打ち破るための最終決戦へと望むのである。

実は第2章の後半は物語の進行が急速に早くなる。
当然である。
結末に到達するまでに発生しうる大きなトラブルが
クライマックスの最終決戦だけなのだから、余計なトラブルや枝道を仕込む余裕はもはや残されて居ないのである。

ストーリーのスピードと展開を一気に加速させて、
第1章と第2章前半までに積み上げてきた伏線やキャラ立てや、エピソードを踏み台として、ラストへ向けて一直線に進むしか無いのだ。

そしてそうなるように、ココまでの時点で事前情報を回収し終えておかねばならないのだ。

カリ城の場合は、敗北後に庭師の老人の家で、
クラリスとの馴れ初めの過去が語られる。
そしてなぜ、ルパンがクラリスを救うことに熱心にならざるをえないのかがあらためて説明される。

そうする事で、この時点までのルパンの行動の全てに必然性がうまれるのだ。

そしてそれがあるからこそ――

『なぜ、ルパンはカリオストロ伯爵に挑み、彼を排除しなければならないのか?』と言う理由付けが成功するのだ。

それが成功した時、物語は第3幕へと突入する。

1:序:発端
2:破:進行と転換
3:急:解決

の中の急:解決である。

さて、ココまでで第2幕の説明となる

OK?

補足、

ラピュタの第2章後半で回収された物は
『パズーの父は本当にラピュタにたどり着いたのか?』
と言う疑問の解決である。
父と同じ旅路を進みラピュタへとたどり着いたことで、その疑問が解け核心へと変わる。そしてラピュタでの最終決戦へとつながる

仮面ライダーWビギンズナイトの場合は、
事件の解決と、復活して現れた鳴海荘吉と仮面ライダースカルの正体の喝破。探偵として事件の核心を解決することで、真犯人との最終対決へとすすむのである。

さて、そろそろ時間的にアウトとなってきた。

第2幕の説明として不備なところもあると思うが
今日はいったんここまででシメとしたい。

次回、来週土曜日の夜9時から、第3幕の解説を行いたいと思う。

さてそこでお知らせだが――
今回の第2幕の説明だが、
これで十分とは思っていない。

もし、まだわからない所。
疑問のある所があれば、レスでもDMでも良いから送ってほしい。

次回のライブツイート講座の際に回答したいと思う

よろしいか?

それにしても――

第2幕の破

本当に難しい!
解説を考えるだけでも凹みそうです!
いい解説になっていると良いのですが――

皆様の手助けになっていると信じて――

また来週!!!!!

|ω・`)ノシ

[ 2017/12/17 08:29 ] ライブツイートログ | TB(0) | CM(0)

ライブツイートログ6 【 プロット教室『3つの幕と真ん中の点』② 】

 ライブツイート講座!
 はじまるぞー

 準備はいいかーー?!

 おぼろ月夜の頑張り入道・美風慶伍です!

 ライブツイート講座
 プロット教室第3回
『3つの幕と、真ん中の点』その2
 これから始めたいと思います!

 アー・ユー・レディ?

 反応が心もとないですが始めます。
 さて前回、プロットを3つのパートで分けるという事を説明しました。
 すなわち『序・破・急』です

この序破急をさらに分けると――

1:序:発端
2:破:進行と転換
3:急:解決

――と言う形になる

 さてここまではいいかな?

 さて、序、すなわち発端とは、いわゆる『ツカミ』の部分だ
 世界観を提示し、登場人物や状況を読者に伝え、登場人物であるキャラを立てて行き、ストーリーの方向性を決める『ネタフリ』をするセクションである。

 次に来るのが破、そして進行と転換
 物語が勢いを増し、最大の山場へと向けて加速していくセクションだ。もちろん、最大の山場のクライマックスでの問題解決に向けて『伏線』を貼っておくのもこのセクションである。

 そして3つ目が急、そして解決
 破から急にかけての最大の山場での最難関の障害が立ちはだかり、これ解決と障害克服に向けて、主人公たちが行動する部分だ。
 当然、序でのネタフリや、破での伏線はここで回収される

 そして事件は解決と収束へと向かい、終幕、さらにオチへと向かう

 ここまでOK?

 さてでは前回、サンプル作品として以下の作品を提示した

 1:ルパン三世カリオストロの城
 2:銀河鉄道999映画版
 3:特攻装警グラウザー第0章 (ーー;)

 3はともかく1と2は知っている人は多いと思う。

 念のため聞くが1と2、知ってるよね?

(ここでアンケートをやった)

 あらら、999は見たことない人が多いのね(汗)

(注、つべやデ○リー○ーションにおちてるよ!)

 では今回はまず1のカリオストロの城から始める。

 2の999もプロットづくりのサンプルとしては分かりやすいので可能なら目を通して欲しい。

 さてここまでいいかな?
 
 これまでにプロットづくりのツールとして

『プロット定規』

――についてレクチャーしてきたが、今回はこれまでに説明した『3つの幕』を意識して、カリオストロの城をもう一度プロット定規で書くことにする。
 ただ一括して貼り付けると大きくなるので、今回は各幕ごとにツイートしていく。

 さてでは最初の第1幕――
 ルパン三世カリオストロの城の序の部分を貼る。
 前回のプロットよりかなり細かくかいてるのでよく見て欲しい

カリ城第1幕 

  さて、読めたかな? では解説に入る。

 ルパン三世はキャラとしては怪盗物に入る。
 ターゲットであるお宝のもとへと自ら侵入し、障害を突破してこれを強奪。さらに侵入対象から脱出してくるのがお話のメインフレームである。当然これはカリ城でも同じである。

 その為にはシナリオ的にはまず、窃盗対象のターゲットを決める所からはじまる。
 それがまず最初のツカミのカジノ襲撃である。ここでルパンたちが泥棒であること、そしてルパンが次に狙おうとするのが『ゴート札』なる偽札である事が明示される
 非常にシンプルなツカミである。

 次いで、OPの後に場面はヨーロッパ山中のカリオストロ公国へ。
 リヒテンシュタインやスイスやドイツの山岳地帯を彷彿とさせる場面の中、会話にてルパンの口からカリオストロ公国がいかなる国でいかなる環境にあるのかが語られる

 ここでおぼえてほしいのが『5W1H』である


■5W1H――

いつ(When)
どこで(Where)
だれが(Who)
なにを(What)
なぜ(Why)
どのように(How)

――これらの物語の基本となる前提情報を、読者と作者の間で共有しなければならないのだが、それを分かりやすく可能な限り自然に表現して読者に提供するのが、第1幕の最初の役目である


カリ城の場合――

いつ:現代
どこで:カリオストロ公国
だれが:ルパンと次元
なにを:ゴート札を
なぜ:泥棒稼業のため
どのように:盗みに向かう

――と言う必要情報が端的に示されているのである

 私は今まで多数のレビューをしてきたのだがお話の冒頭部にて、この5W1Hの提示と読者との共有が、しっかりと行われていない作品に多数遭遇してきた。作者が必要な説明を忘れて、説明したつもりになっているケースが結構あるのである。逆に優秀な作品ほど、必要な情報を必要なだけ適切に提供できているのだ

 そして、次が最低限必要な登場人物の登場――
 すなわち『登場人物のキャラ立て』である。

 ルパンと次元、五右衛門、不二子、銭形と言った定番に、カリオストロ公国の人々や、カリオストロ伯爵、伯爵配下の衛兵や暗殺者『影』そして、肝心なクラリス姫と、庭師の老人
 これらが一通り顔を出すのだ
 お話を展開する上で事前に紹介されていなかったキャラが、後半になりいきなり登場するのは避けたい状況なのである。なのでお話の重要部分に関わる人物たちはこの第1幕で出しておかねばならないのである。

 そして、もう一つが――

『ネタフリ』である。

 ネタフリ――
 つまりはそのお話の中でのもっとも重要な情報や出来事やエピソードにして、登場人物の行動目的となる物が読者に対して示される事である。

カリ城の場合、

『カリオストロ公国』と『禁断の偽札・ゴート札』
『クラリス公女』と『摂政・カリオストロ公爵』と二人の婚礼

――がこれにあたる

 さて、ここまでOKかな? 今回は長いよー頑張ってついてきて!

 さて、第1幕の中でのこれらの情報が提示され、読者と作者の間で共有が完成したとする。
 そこでお話を動かすために起こるのが『事件』である。
 だがカリ城の第1幕では事件は3つ起こっている

 1つ目が、冒頭でのルパンたちによるカジノ襲撃
 2つ目が、カリオストロ公国入国後の、クラリス姫をめぐるカーチェイス
 3つ目が、ルパンと次元が暗殺者『影』に襲撃される一件だ

 じつはこの3つ、シナリオ的には意味が全く異なるのだ。

 カジノ襲撃は『ツカミ』ルパンと次元と言うキャラを紹介しゴート札の存在を提示するシーンだ。
 クラリス姫カーチェイスは、カリオストロ公国の実体とクラリス姫の存在を視聴者・読者に示す部分でキャラ立ての一つである

 本当の事件発生は3つ目の暗殺者襲撃なのだ
 この暗殺者襲撃が起こることで、カリオストロ伯爵と、クラリスと、指輪を保持しているルパンとが結びつき、お互いに関わり合う必要がうまれるのである。ルパンとしても城への侵入の難易度が上がり状況が悪化するのだ。
 ルパンの『おもしろくなってきやがった!』のセリフにはこんな意味が有ったのだ。

 さて、第1幕のラストでは、この『事件発生』が起こる
 状況が悪化、ないしは深刻さが増し、より主人公たちの行動が重要になり、必然性が生まれてくるのである。そして、そこで生じた勢いを保ったまま、第2幕へと登場人物たちを動かし、第2幕でのお話の流れの出発点として機能するのである

 つまり第1幕では

 1:ツカミ

 2:5W1Hの状況説明と情報共有

 3:登場人物の紹介とキャラ立て

 4:お話全体を引っ張る『ネタフリ』

――が行われ、それらを前提として『事件』が発生する。

 そして、その事件の結末をもって第2幕へとお話を結びつけていくのである。
 ここまでが第1幕である

 っと――
 本当は今日でカリ城の3つの幕全部を解説するつもりだったが、想像以上に時間がかかった。
 全部終わるのに朝まで掛かりそうだ(汗)なので今日はココまでにしたい。
 私としては、まさか解説にこんなに時間をとるとは思わなかった。予想外である(汗)
 資料はすでに造ってあるので、来週は必ず開催する。
 
 開催時刻は土曜9時スタートである。
 では次回。
 プロット教室、第3回『3つの幕と真ん中の点』③
 に続くっ!! はでわ!

ζ
■D:美風

[ 2017/12/04 21:22 ] ライブツイートログ | TB(0) | CM(0)

ライブツイートログ5【 プロット教室『3つの幕と真ん中の点】① 】

よーいしょっと

さて、そろそろはじめるか

えー、一週間ぶりのご無沙汰、ライブツイート講座

プロット教室。

第3回目なんだけど……

ほんとに需要あるかな?
ちょっと不安

需要は
全く反応ねぇ……・ω・

よかった。反応あったのではじめます。
よういはいいか?
では、ライブツイート、プロット教室第3回目
『3つの幕と折り返し地点』その1
はじめます。

さて、1回目と2回目で、プロット整理の道具である
『プロット定規』について色々と説明してきた。
おさらいとして表示する。

[オチ]

これな。

実際の使い方を画像で貼る。

映画カリオストロの城の場合のプロット定規である。
 
カリ城1 カリ城2 カリ城3

ここまでOK?

よし続ける。

さて、今回話すのは実際のプロット定規の使い方の中で、
『序盤』『中盤』『結末』と言う3つのパートの存在についてである。

例のプロット定規の中で私がプロットポイントと呼んでいる

『 ┼ 』のマークのことである。

これの具体的な使い方についてだ。
実は前回、前々回、『起承転結』は忘れろといったが、
あれは小説のためのものではなく、本来は4コマ漫画のためのものだからだ。

小説やシナリオの世界ではこう呼ばれるのだ。

『序破急』と。

この序破急の流れを『3つの幕』と呼ぶのだ。

ここまでOK?

では、序破急のそれぞれの要素について説明する

序:

 まずは物語とキャラクターの『つかみ』の部分。読者を作品の中へと引っ張り込む部分。
 そして、主人公を中心として、状況説明や、世界観の提示
 さらに〝行動の動機〟〝主人公の現時点に至るまでの経緯〟

さらには〝これからなにをしたいのか?〟〝どう言う目的があるのか?〟
と言う事を読者に対して理解してもらう部分だ。

そしてそれらの事を通じて、主人公をより魅力的に『立たせる』作業を行うと言うセクション。

それが『序』である。

まずOK?

次に『破』

序でつくられた世界観や登場人物たちが動き出し、一つの方向へとその動きを加速させるセクションである。

まず先の序のラストで事件が起こり、この事件を追う形で物語が加速を始める。そして、さらなる障害の発生や、主人公の挫折、あるいは問題解決のための試練が起こり――

クライマックスへと向けて、状況の変化起こり、
主人公たちの行動に対する最大の試練へと繋がるセクションである。

物語の目的を失わせず、読者をしっかりとひきつけ、そして、クライマックスとラストへと物語を一気に牽引する重要な部分、それが『破』である。

ここまでOK?

さて、いよいよ『急』だ。

結で無く急

その意味をじっくりと考えて欲しい。

先の『破』のセクション、
そのラストで作品最大の困難が登場人物たちを待ち受ける。そして、その最大の困難のまっただ中へと飛び込む瞬間、それが『急』の発端である

この『急』のセクションでは
端的に言って物語を結末ヘと向かわせるための事件解決のエピソードが描かれる
だが単に取ってつけたように解決されるのではなく、ここまでの『破』の部分で事件解決・問題解決のためのいとぐちがあらかじめ描かれている事が多い
これを一般に『伏線』と言う

すなわち『急』とは、『破』までの流れの中での伏線を回収しながら、
物語のクライマックスで描かれる最大の試練・困難を克服し乗り越えながら、主人公たちの目標を達成し事件解決へとつなげるセクションなのだ。

そして、さらにこれに続くのが『オチ』である。

ここまでOK?

事件が解決し、主人公や登場人物たちに変化が現る。
そして、それは幸せであることもあり、そうで無いこともある。

それらを読者へと提示し、余韻をあたえ、物語を締めくくる部分であるのだ。

これが『オチ』だ。

伏線をしっかりと回収し、事件を収め、物語をきちんとまとめあげる。
それがが理想的なオチであり、理想的なラストシーンなのは言うまでもない。

さて、ここまでOK?

さて、残念ながら今回はここまでだ。

次回はこの序破急の3幕の実戦と、
3幕の効果的な活かし方に絡む『ミッドポイント』と言う重要点について説明する。

そのサンプルとして、

1:カリオストロの城
2:銀河鉄道999(映画版)
3:特攻装警グラウザー第0章(おい)

の3つを取り扱う。

未見の方は目を通しておいておくように。

さて、それではこれにて!!

サンプルとして扱って欲しい作品があったらリプしてくださいね・

それでは!

ζ
■D:美風

[ 2017/12/04 21:10 ] ライブツイートログ | TB(0) | CM(0)

ライブツイートログ4【 脱線銃講座『銃を作るにはこんな技術と文明が必要!』 】

 さてー。一週間のご無沙汰です。
 今夜も始まりますリアルツイート講座

 今回は先週の続きの銃についての2回目

『銃の発達と文明の進化について』

 今度は銃の発達とそれを可能にする文明の発達について、つまりファンタジーなどで銃を出す場合、どの程度の文明発達が非通用なのか? という事を比較しながら紹介します。

 では準備はOK?
 まあ、プロット教室よりは地味だよねwww

(気にせずやろう^^;)

 さて火薬が発明されて最初期の頃に出てきたのは1300年代明朝の頃に『火竜槍』とか『銅火砲』とか言われたのが最初らしい。
 当然、凝った技術なんかない。
 円筒状の火砲の本体に火薬を詰め丸い弾を押し込み、火薬に火を点火するための導火口から火をつけると言う原始的なもの。

 さて、銃がこの原始的なものから発達していく上で重要なのが2つ存在する。それが――

①金属加工のための冶金技術
②薬品や化学物質を合成し生成する化学技術

――この2つが必要になってくる。
 
実際、銃の歴史は、この2つテクノロジーの発達の歴史と言ってもいいくらいなのである。

 さて、まずこの原始的な火砲である『火竜槍』が明代の中国にて発明された後、大陸を渡ってヨーロッパへと伝わる。同じものが『マドファ』と言う名前で使用されるようになる。
 だがこの頃の欧州はまだ、金属加工というとまだまだ町の鍛冶屋の段階を脱しておらず、銃の本体を『鋳鉄』つまり、溶かした金属を型に入れて形を作る『鋳物』のレベルでしか無かったため、さらなる発達には少し時間を要することになる。

 しかし、一方の中国の方だが火薬を詰めないと使えない火砲はお気に召さなかったらしく弓矢や弩などに押されてすぐに姿を消してしまったそうだ。

 さて、マドファだがこっちは欧州にて定着することになる。
 だが点火するのに、火の付いた縄や、松明などを使っていたのだが、どうしても点火しにくい。
 また、片手で保持するのでとうてい狙いなどつけられない
 そして、金属加工技術が進歩して、ちょっとした機械的仕組みを作ることが出来るようになった。点火用の火の付いた縄を保持固定して、レバー状の機構で必要な時に簡単に点火をする仕組みが考案される。
 これが『サーペンタイン』と呼ばれる仕組みで、銃の引き金のルーツである。
serpentinelockgun (1) 

 おそろしくシンプルである。
 でもこれが銃と言う武器のスタート地点なのである。
 まずはこの火を点火するシステムをどうするかが進化の最初の鍵となるのだ
 ここまでOK?

 そして次に導入された技術が『バネ』である。

 火の付いた縄を保持するアームをバネ仕掛けにしておき、小さなレバーを引いたときににアームが落下、火砲に点火される仕組みが作られたのだ。そう、ここで『引き金』が発明されるのである。
 これが大体1400年から1500年頃と言われる
 日本で言うと応仁の乱の頃である。
 これにさらに狙いを定め、命中率を上げるための『照準』がもうけられ、現在の銃の基本システムが完成されることとなる。これがマッチロックガンと呼ばれるものであり後に日本には火縄銃として伝来することとなるのである。

 実はここでもう一つ発達しなければならない技術がある。
 はじめのうちは鋳込んで作っていた銃の本体だが、それではあまりに重すぎ、運搬は困難だ。
 そこで鉄の板を巻いて円筒形状の物を作る加工技術や、鉄の筒の片方を閉じるための『ねじ』の技術などが導入される。時代的には15世紀~16世紀頃だ
 そしてこれが日本に伝来して『火縄銃』となる。

 ちなみに日本が銃を理解し、短期間で爆発的に普及さえた背景には、長年に渡る武家社会の戦争により刀や鎧を始めとする武器開発の技術が十分に発達していたと言う事情がある。いわゆる金属を叩いて加工する鍛鉄の技術である。
 これが日本の場合、日本刀の製造などで十分に技術が発達しており火縄銃の構造を理解し、再現できたからこそ、大量製造できたのである。
 つまりまず火縄銃レベルでも普及しているなら、かなりの微細な金属加工が可能な技術が存在していることの証明にもなるのだ
 何しろ、火薬の爆発の圧力に耐えられる構造をつくれるからだ。
 これは重要である。
 ここまでおK?

 さて銃身、点火構造、引き金、照準と大体の仕組みは出揃った。
 つぎは火縄に頼らない点火構造が求められる事になる

 次に登場したのは『時計製造』で有名なスイスで円筒状の火打ち石を発条仕掛けで回転させて点火する『ホイールロック式』と言うのが16世紀に発明される。
 背景技術は『時計』である

 だが、このホイールロックは普及しない。当然だ戦場でいちいちホイールを回すバネを巻いてられないからだ。なので更に火打ち石で瞬間的に点火する構造が17世紀に発明される。
 この頃にはさらに微細な金属加工が可能となっている。
 それを背景としたのが『フリントロック式』である

250px-FlintlockMechanism.jpg 

 初期のサーペンタインと比べるとかなりの進歩だ。メカニズムとしても相当に高度化しているのがわかると思う。だが点火は未だに、外部から火をつけると言う手段に頼っている。
 さらに簡便かつ速やかに点火する技術が必要となる。
 そこで化学技術の発達を待たねばならないのだ

 時代は18世紀まで進む。
 フランスのバンヤンと言うおっさんが(軍医だった)雷汞と言う物を発明する。
 水銀と硝酸からつくられたもので衝撃を与えると爆発し火花が散ると言う物だ。当然、これを銃への利用が研究される。なにしろ火縄銃やフリントロック式は雨に弱く。雨天では銃に点火できない。
 あの大量の火縄銃を導入したことで有名な、長篠の戦いでは、雨がふらなかったから、信長は勝てたと言う人が居るくらいである。
 しかしだ、雷汞は扱いが非常に難しい、ちょっとしたショックで爆発するからだ。安全に扱える仕組みを作らないと銃には適用できないのだ。

 ちなみにこの雷汞が発明可能と言うことであれば、錬金術や原始的精霊科学の域を抜けて、現代科学に通ずる科学的な薬物合成が可能な段階にまで文明がはったつしている事の証明となる。あるいはそれに比肩する魔法科学が存在するかだ。

 そして、この危険な雷汞を扱いやすくしたのが19世紀初頭にアメリカのジョシュア・ショウが発明した『雷管』である。
 真鍮などで出来た小さな金属キャップの内側に微量の雷汞を詰め、この金属キャップを叩くことで雷汞を爆発させる仕組みだ。これが発明されたことで飛躍的に火薬の点火は簡単になる。

 ここまで来ると、近代武器技術の世界まであと少しである。
 銃身の中に火薬を詰め、弾を詰め、銃の後部に取り付けた雷管を、引き金に連動したハンマーで叩く。現代にも通じる銃の基本システムがこれで登場したことになる。
 だが銃の先端から弾を込めるのは面倒だ。後ろから弾を込めたいと考えるのは当然だ。

 ここから技術の試行錯誤となり、
 ブリーチローディングや、
 ガス漏れをさせないミニエー弾、
 6連装の弾倉を発明したコルト式拳銃などが登場する。

 だが決定打となった発明――

 それが『薬莢』である

CART-2.gif 

 現代でも使用されている仕組みだ。ここで近代的な銃が完成することになるのだ

 19世紀の中頃にプロイセンやフランスにて発明されたと言われているが、現在でも使用されている前述の構造は1840年頃にフランスでの発明である。それが瞬く間に世界中にて普及。戦場のでの武器の主力を完全に槍や弓矢や騎馬隊などから、兵一人一人が銃を保持する時代となる。
 そして――
 現代兵器へとつながっていくのである。
 さてかなーーーーり駆け足で突っ走ってきた。
 いかがだろうか?

 さて、2回にわたってやってきた、銃講座、いったん終了である

 来週はいよいよ、プロット教室の第3回である!

 お題は『3つの幕と、ど真ん中』である。
 現在、資料収集中!!!
 ではアディオス!!

[ 2017/11/15 00:23 ] ライブツイートログ | TB(0) | CM(0)

ライブツイートログ3【 脱線銃講座『硝石求めてンコまみれ』 】

 アクションを書きたいと思っているけど基礎知識がない人や、基本ファンタジーだけど銃を登城させる場合どうなるのだろう? と思っている人を想定してます。わしがグラウザーを書く上で長年集めた知識が土台なのだが・・・

 それではスタート!

 ライブツイート、銃についてのちょっとしたお話!!

 まず始めるのは『火薬』について
 なぜそこから始めるかと言うと、銃にしろ火砲にしろ、『火薬』が発明されてこそ出来るものだからだ。しかも火薬って以外と政治や地理的状況に左右されるものなのだ。これはファンタジーモノでも重要だ。

 さて火薬を作るのに必要なものとは?

 それは以下の3つの材料

1:炭素(石炭や木炭)
2:硫黄(火山があればどこでも取れる)

 この2つはわりと手に入る。実は意外と難しいのが次

3:硝石(硝酸カリウム)

 これが恐ろしく手に入らないのだ!
 ちなみに炭と硫黄は可燃物と助燃剤の役割をはたす。硝石はこれに対して、酸化剤と言って燃焼することで酸素を出し、より爆発的な燃焼を起こす役割が有る。ぶっちゃけ、硝石がなければ火薬も爆薬もできない。当然、銃も火砲もできないことになる。
 まずこれ。
 それで漫画のドリフターズを思い出せ。
 平野耕太さんの書いてる歴史上の色んな人がわんさか出てくるあの奇天烈な漫画でだが、あの中で剣と弓やしかない文明社会の中で、織田信長たち3人はまず『火薬』を製造するのに炭と硫黄はすぐに入手出来るとして、硝石に相当する物を集めるのにものすごい苦労をしている。
 なぜなら硝石は恐ろしく水に溶けやすいからだ! だから石炭などの様に地下を掘ったらすぐに出てくるという性質ではない。人為的に苦労して硝石に相当するものを作らないといけない。この硝石を作る方法がなかなか見つからないために、世界的に見ても火薬を発明出来る地域はごく限られている。
 日本で銃が大々的に登場したのは戦国時代だが、銃を使うのには火薬が居る。だが火薬を作るのには硝石がいる。しかし日本の様に多雨な気候では硝石は望みゼロである
 ではどうするか? 
 そう――、輸入するのである。
 戦国武将がバテレンのキリスト教を認めたのはここに理由が有るのだ。
 信長はキリスト教を認めたし、九州の島津はキリシタン大名も多い、
 そして、どちらも火縄銃の運用においては猛者である。そらそうだ、火薬に必要な硝石の入手で太いパイプを持ってるんだから。しかし、戦国時代後半、キリスト教は禁教となった。だが、銃はさらに爆発的に増えていった。

 なぜか?
 それは硝石を自己生産出来るように成ったからである。
 自分で作れるなら外国人に頭下げて異教を認めなくてもいいわな。だから、キリスト教は禁教として弾圧されたわけ。しかし、この硝石の自己生産というのが・・・

 あまり書きたくないが必要だから書く。

 はっきり書くと「アンモニア」を直接的な原料として原始的な方法で化学変化を起こして硝酸を手に入れ、それを濾過・凝集して純度の高い硝酸カリウムを生み出す。
 ぶっちゃけ言っちゃうと生物の遺骸や排泄物を原料に、土中内で自然細菌と反応させ、それに草石灰を混ぜ合わせて硝酸カリウムを長時間かけて生成していたのだ。
 日本国内だと富山と長野の県境近くの五箇山地方などが硝石生産では有名だった。あの世界遺産の合掌造りの中で硝石生産がせっせと行われていたのだ

 この他にも、人間の生活の場の土間や床下の土にも天然の硝酸カリウムは長い年月の間に蓄積されていく。これを定期的に回収して、煮詰めて凝縮して、硝石の結晶をつくる。ここまでやらないとファンタジー世界や、現実の中世世界での火薬は手にはいらないのである。
 つまり温暖湿潤な湿度が高い気候だと硝石は人為的に生産しないと手にはいらないのである。
 だが例外はある。雨さえ降らず、硝酸カリウムの原料となる「排泄物」が蓄積する環境があると例外的に硝石は産出可能だ。
 地球だと『チリ硝石』と言うのがある。
 どんなものかはググってもらうとして、当然そういうのがあって希少価値がアレば戦争の種にもなる。つまり、ファンタジー世界でも火薬を産出可能な文明とするには、この硝石を自然産出する地理的条件があるか、自己生産可能な技術的文化が無いとだめなのである。
 雨や緑が豊富な文明で火薬をバンバンつかってるとするなら、その国の何処かで、ンコまみれになって硝石を作らされている人が必ずいることになるのである。

(ご飯中の人ごめん)

 これが火薬の生産に必要な文明的条件の話である。
 だから中世の戦場では大砲を運用する人々と言うのは火薬の専門家であり、その生産技術や管理維持のプロである。そのため地位的にも高く、王侯貴族や諸侯も尊敬の念をはらっていたと言う。
 だが、火薬を調合する工程が黒魔術めいているので、しばしば魔女狩りや異端審問の対象になったこともあるとか

 さて・・・

 ちなみにこの炭と硫黄と硝石から作られるのが、

『黒色火薬』

――である。・

 原始的な化学技術の文明では、この黒色火薬が大半だった。だが現在は黒色火薬は使われていない。大量の白煙が出る問題が有るのと、水分を含有させないとだめで安定しないためだ。

 安定性とそして煙の出ない火薬――

 それを『無煙火薬』というのだがそれは銃の発明過程のあとのお話である。

 ここまでOK?
 さてこの次が『銃の誕生』へと繋がる。
 ファンタジー世界や戦国時代では同じみの『火縄銃』である。

 なんか銃の歴史解説みたいになってしまった(;^ω^)

 次回は『火縄銃から近代銃へ』

ファンタジーノベルにおける、銃の文化的なレベルとの対称性について書く。

さて今回はこの辺で!!!
でわ!!

ζ
■D:美風

[ 2017/11/15 00:08 ] ライブツイートログ | TB(0) | CM(0)

レビュー作成裏話【美風慶伍の頭の中】 第3回 【 左団扇奇譚 】

はい、3回目となる『美風慶伍の頭の中』

今回はコンビキャラです。
キャラたち物の中でも一度は書いてみたいと皆さん思ってらっしゃるんじゃないでしょうか?
商業作品でもコンビキャラで人気を博しているのは決して少なくありません。
ですがいざ書いてみようと思うと・・・
今回はそんな『コンビキャラ、キャラ立ち』物の作品のレビューについてです


でははじめます。
【 美風慶伍の頭の中 】

第3回
作品名 【 左団扇奇譚 】
作者 【 音叉 】


 コンビ物、アニメでも漫画でも映画でも王道を成すジャンルである。
 何か一つ出してみろ! と言われたら誰でもすぐに出せるだろう。
 
 仮面ライダーだったら仮面ライダーWの左翔太郎とフィリップ、
 ロボットヒーローだったら宇宙鉄人キョーダインのスカイゼル・グランゼル
 
 洋画の警察物だったら、48時間のジャック・ケイツとレジー・ハモンド
 ハリウッド映画ならMIBのKとJも忘れちゃいけない。
 
 テレビドラマからも色々
 あぶない刑事でのタカとユージ
 噂の刑事のトミーとマツ
 TRICKからは山田奈緒子と上田次郎
 SPECからは当麻 紗綾と瀬文 焚流

(あ、相棒はここでは認めない、あまりにパートナーを変えすぎでしょう!)
 
 古典小説なら推理作品からホームズとワトソンも有るだろう
 
 漫画では
 ちょっとマイナーだがNERVOUSBREAKDOWNの安藤一意と三輪青午
 トライガンからはヴァッシュ・ザ・スタンピード&ニコラス・D・ウルフウッド
 寄生獣からは新一とミギーもか
 バクマンから、サイコーとシュージン
 鋼の錬金術師からは、エドとアル
 うしおととらも入れとこう
 キャプテンハーロックとトチローの古典コンビも入れておく。

 アニメからも
 ご存知、ルパンと次元、
 TIGER & BUNNYからは虎徹とバーナビー
 初代プリキュアのなぎさとほのか
 カウボーイビバップからはスパイクとジェット
 
 やってるとキリがないのでこの辺で(笑)
 
 だが、これらのキャラクターたちの名前を見ただけで、その作品の内容と世界観がリアルに脳裏に描かれるはずだ。その二人がコンビを組んでいる。ただそれだけでも物語世界の看板になる。それだけのキャラの作り込みが要求されるのだ!
 
 よく見て欲しい。上記に並べたキャラたちを。
 その殆どが〝過去〟において何をしていたか? と言う〝歴史〟がしっかりと書かれているキャラばかりなのだ。二人の人物が存在し、そして必然性があり出会い、絆を結び、一つの目的へと向けて行動する。そして困難を乗り越え、大きな事件を解決する。そのコンビが二人揃っての行動そのものが壮大なドラマとして結実しているのがコンビ物のスタイルなのである。

(ちなみにこれは私基準だが、たんに仮面ライダーの1号2号の様に単に二人揃ってると言うだけではコンビと呼ばない理由がここにある。常に二人揃ってこそのコンビなのである。ドラマの相棒を除外したのもこれが理由。あれだけパートナーを使い捨てにしてたらもはや相棒じゃなくて右京個人のドラマである。最近はそれが視聴者にもバレてきてるから人気が下落しているのである)
 
 さて、今回のレビュー対象の【左団扇奇譚】である。
 
 その表紙イラストを見た瞬間に思った。
 
『あ、コンビキャラで勝負をかけてる』

 表紙イラストの立ち位置だけでそのキャラクターの関係性が匂ってくるのだ。これをコンビキャラ物と呼ばずにどう呼ぶだろうか? 期待して表紙をめくって中を読み始めればもうそこはめくるめく夢の世界である。
 
 登場するコンビキャラは以下の二人。
 
 洋装と黒猫が印象的な雨下石亜緒 
 和服と日本刀が印象的な渚蘭丸
 
 イラスト抜きでも文字だけでもその印象的なまでのコントラストがくっきりと浮かんでくる。
 青と黒それがこの二人のイメージカラーだ。
 
 さらに、その性格、立ち振舞、嗜好、関係性、それらが冒頭部の短いスパンで分かりやすく伝わってくる。
 そして、そのキャラクター完成度が半端ないくらいに高いということも。
 
 ならばレビューの方向性は決まった。コンビキャラ推しで徹底的に行くしか無い。コンビキャラとはなんぞや? と言うことを解説して、この左団扇奇譚の亜緒と蘭丸がどれだけコンビキャラとして完成度が高いかを徹底的にアピールするしか無いだろう。
 
 そうなると問題になるのは『コンビキャラ』とはなんぞや?
 
――と言うことである。
 さてではそれについて以下に列記する。コンビキャラの要件である。

 
1:目的として同じ方向を向いている

 当然である。行動目的を同じとせずバラバラの方向を向いているものをコンビは言わない。
 コンビ物が事件解決を旨とした、刑事物や探偵物、あるいは壮大な目的を持った冒険者やヒーロー物が多いのにはこの辺に理由がある。
 
〝目的として同じ方向を向いている〟これを象徴するキャラがバクマンのサイコーとシュージンである。作画担当のサイコー、原作担当のシュージン。彼らが互いに足りない部分を補い合いながら、漫画家デビュー、そして連載獲得と言う共通の目的へ向けて邁進する姿そのものがバクマンの物語の〝核〟となっている。

2:華麗なコントラストをなす対象的な個性

 キャラの個性が異なって居なければならないのは当然であるが、それ以上に〝対象的なコントラスト〟を描けるほどに際立っている必要がある。
 
 仮面ライダーWの翔太郎とフィリップを見れば一目だ。
 行動的であり一人の探偵として事件現場や被害者の下へと積極的に関わろうとする翔太郎に対して、基本引きこもりであり自分が関心を持ったものにしか関わろうとしない受動的なフィリップと言う正反対のキャラがうまい具合に物語の中で動いているのが解る。
 だが、それぞれの個性を細かに見れば、案外にナイーブで揺れやすく感傷的な翔太郎に対して、理性的であるが故に動じることがなく芯がぶれないフィリップと言う性格面でのコントラストもはっきりしている。
 そのコントラストぶりが物語の中で翔太郎とフィリップを交互に陰と陽にし、物語をよりダイナミックなものに仕上げているのである。
 自分が家族に関する記憶を持っていない事からパニックに陥るフィリップに対して、繊細で人の心に寄り添える翔太郎がフィリップの気持ちを癒やしコンビとしての絆を再確認するエピソードや、自らの能力がフィリップと差がついてしまったが故にコンビの危機を迎えた時に、フィリップのブレない知性派としての立ち位置が翔太郎を奮起させるきっかけになるエピソードなど、二人の絆が物語を盛り上げるエピソードには枚挙にいとまがないくらいである。
 Wがヒットしたのは当たり前といえる。
 
 
3:コンビでワンセットとなる造形美

 いわゆるビジュアリティだ。
 外見の見かけが曖昧で区別がつかないようでは意味がない。
 また2の互いの個性のコントラストがヴィジュアルに反映されるくらいに現れている必要がある。
 
 例えば鋼の錬金術師のエドとアル、
 低身長でつり目でフットワークの軽さが現れたまとまりの良いデザインのエドに対して、ずんぐりむっくりとした重厚な鎧その物の外見のアル。そのコントラストは二人の兄弟の個性にシンクロしている。積極的かつ短気で衝動的な兄に対して、温和で理知的で何事にも慎重な弟、そしてその二人が禁忌により失った〝手足〟と〝全身〟と言うショッキングなビジュアルが反映される事により、二人の兄弟の過去に対する深みと説得力がより強く描かれる。
 
 ルパンと次元もそう。
 二人ともスーツ姿だが、原色の極彩色が多いルパンに対して、黒やグレーのモノトーンが多い次元。色合いだけでも明確な違いがありそこに二人の性格的な違いが明確に現れているのが解る。さらに次元は常に愛用の帽子をかぶっておりそこに〝自分〟と言うものをあまり表に出さない次元のパーソナリティを明確に表し、逆に表情豊かに素顔(?)で行動するルパンとの違いを現している。
 
 これがプリキュアのほのかとなぎさになるとさらにわかりやすい。
 二人とも学生であり制服姿で居ることも多いためビジュアル的な違いが出にくいように思えるが、ショートカットで茶髪でつり目の渚に対して、黒のロングヘアの穏やかな目線のほのか、そして目元の細かなデザインの違いが、二人の個性と性格の違いを明確にシンボリックしているのは興味深い。
 

4:どちらも尖った形で有能

 当然である。
 コンビを組む以上、片側だけが有能でもう片方が足手まといではコンビとはならないのである。
 
 NERVOUSBREAKDOWNの安藤一意と三輪青午
 鋭い推理能力があり知性派の権化のような安藤だが、その実、救急箱が手放せないくらいに身体が弱い。ちょっと走っただけで倒れるくらいである。洗面器が愛用アイテムで常に嘔吐しているのだ。それに対して三輪は頭脳まで筋肉で知性はアウトだが、肉体に関しては誰にも負けない。行動力、機動力、戦闘力、どれをとってもケタ違い。安藤が動けない状況でも安藤を背中に抱えて犯人と戦えるくらいである。
 頭脳と肉体、あまりに明確なくらいに対象的な形で、その能力が発揮されている。
 
 寄生獣の新一とミギー――
 彼らの場合はやや特殊だ。
 肉体としての本体である新一はまるっきり普通の高校生男子である。それに対してミギーは寄生生物であり、他の凶悪な寄生生物と戦うにはミギーの身体能力に頼るしか無い。
 だがミギーは所詮寄生生物であり人間社会のそれに対してはデリカシーが無くその正体が露見すれば窮地に陥るのは明白である。
 これに対して、はじめは平凡な市民だった新一が、寄生生物との闘いを乗り越えるたびに一歩一歩成長し、時には肉体面でも変化を起こし、単独でも戦えるほどに能力が強化されていく。
 またミギーははじめこそ不気味な生物でしか無かったのが、その理解力と知性力故に人間社会に対して理解を深め、宿主である新一を守るためにはどのような力が必要なのか? そして新一をどう守っていけば良いのか? を懇切丁寧に気遣うようにまでなる。さらには自分自身が弱体化する危険を押してまで新一を救おうとするのである。
 二人の能力の変化と成長が、物語にまで反映されているケースである。
 
さて、翻って左団扇奇譚の二人はどうだろうか?


1:目的として同じ方向を向いている

 これはわかりやすい。
 魑魅魍魎が当たり前に存在する街で妖怪退治の会社を共同で営んでいる。そして当面の目的は金、それも生活費である。(ただし仕事には困窮している(笑))
 
 
2:華麗なコントラストをなす対象的な個性


 作中冒頭にこんなシーンが有る。
 
ーーーーーーーーーーーーーーーー
 突然来客を告げる呼び鈴が鳴る。

「客か!」

 亜緒の期待と願望が声になる。

「借金取りかもしれないから迂闊に出るな!」

 一方で蘭丸は慎重である。
 呼び鈴一つ取っても二人の受け取り方は異なる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー

 この一つをとっても、楽観的であっけらかんとした亜緒に対して、何事にも慎重で警戒を怠らない蘭丸の性格が如実に現れている。ただ物語が進む連れてただそれだけではないと言うことも明らかになっていく。(ただそれについてはここでは書かない。ネタバレになるので)
  

3:コンビでワンセットとなる造形美

 これも明確だ。
 洋装で古式ゆかしいドレスコードに従ったワイシャツにネクタイにベスト姿の亜緒と、
 和装の着流しの着物姿で長髪の蘭丸と、一目で違いが解る。
 
 さらには二人のキャラクターの個性を象徴するマストアイテムも明確な違いが有る。
 
 亜緒が不可思議な黒猫を常に抱いているのに対して、
 蘭丸がその手に常に携えているのは剣呑ささえ感じられる日本刀である。
 
 映像美としてもわかりやすいのである。
 

4:どちらも尖った形で有能

 蘭丸はわかりやすい。その日本刀から剣術(特に居合抜刀術)に対して秀でているのは明確である。
 それに対して亜緒は、妖怪にまつわる事案に対しての造詣の深さを持ち、妖獣鵺を使役する陰陽師である。妖怪退治に対しては、蘭丸が最前線で剣を振るい、亜緒が参謀として能力を発揮することとなる。 
 この点においてもコンビネーションの高さは明白である。
 
 そして当然ながら、これらの4つのファクターの他に一つの〝人〟として外見、癖、性格、欠点、口調、所作、嗜好、能力――などを細かに作り上げ、キャラクターとして成立させることが求められるのである。
 
 しかしながら、コンビという形での二人のキャラクターの造形――それが完璧に出来上がったとしてそこで終わりではない。
 ここまでの人物としての要素はお話の中での『横糸』に相当するものである。この横糸に加えて必要となるのが『縦糸』となる〝過去〟なのである。

 つまり――『現在に至るまでに何があったのか?』
 これを書かねば『なぜコンビが成立したのか?』と言う根源的なものが成立し得ないのである。
 
 先に上げた作品例の中のから一例をあげよう。
 
 宇宙鉄人キョーダインだが、彼らがメカの身の上で兄弟としてコンビを組んでいるのには訳が有る。
 侵略者ダダ星人にサンプルとして、父ともども兄葉山譲治と弟葉山竜治はダダ星にアブダクトされたのだが、実は彼らには弟がもう一人居た。葉山健二。地球で孤独に暮らすことになってしまった弟の身を案じていた。
 だがこれと共に、彼らをアブダクトしたダダ星人には、資源豊富で生物生存可能な有益な惑星である地球を侵略する意図があった事を知る。優秀なロボット学者であった葉山兄弟の父は、ダダ星の宇宙文明を取り込みつつ兄譲治と弟竜治の人格と記憶とコピーしたアバターロボット、サイバロイドを作り上げる。そして密かに地球へと送り出すのだが――
 
 このサイバロイドには二人の兄の〝人格〟と〝記憶〟が宿っている。と言うのがミソ。
 単に正義の味方スーパーロボットとして地球防衛をするのではなく、3人兄弟の2人の兄としての過去が宿ることで、二人の兄の身代わりロボットとして、末の弟を家族として守るという〝理由〟が加わることとなる。
 これが二体のロボットが、二人の兄としてコンビを組んで侵略者と戦う最大の理由となるのである。
 
 さらに鋼の錬金術師からは、エドワード・エルリックとアルフォンス・エルリック
 これは説明不要なくらいに有名である。
 幼くして錬金術に類まれな才能を発揮していたエルリック兄弟
 全てはやさしい母さんが喜んでくれるから、ただそれだけのため。だが、彼らの父であるホーエンハイムが姿を消し、残された母が流行病で命を落とす。孤独になってしまった兄弟は錬金術において禁忌とされている『人体錬成』で失われた母を取り戻そうとする。だが当然ながらこれに失敗、禁忌の代償として兄エドは左足を失い、弟アルは全身を失うことになる。これに対してエドは自らの右腕を代償としてアルの魂のみを取り戻す。
 そして、右手と左足を失った兄と、全身を失い鎧にその魂を定着させた弟、二人は互いの身体をもとに戻すことを願い、そしてその手段として『国家の犬』と揶揄される国家錬金術師への道を志す。それ以後の苦難に満ちた彼らの旅路は私よりも皆が詳しいだろう。
 
 
 ならば左団扇奇譚の二人ならどうだろうか?
 実はまだそこまで本編の中で詳らかにはされてない。
 亜緒の実家である雨下石家は妖かし調伏の大家であり、亜緒の実父はその筋では誰もが恐れる最凶の人物。亜緒は何ゆえか実家から離れ、蘭丸とともに暮らしている。
 対する蘭丸の過去となると更に謎である。所有している妖刀に絡み因果を背負っているのは確かであり『闇子』なる不可思議な人物の存在と、彼自身が己に課している〝生きている人を斬らない〟と言う誓約にが有るということだ。
 ここから読み取れるのは、亜緒の〝しがらみ〟であり、蘭丸の〝因果〟である。
 それが物語が進むに連れて紐解かれていくかのように少しづつ明かされていく。そして、これこそが左団扇奇譚の〝縦糸〟である。
 
 この縦糸と横糸が交差することで、そこに壮大なドラマが生まれる。
 そして、そのドラマは全て、雨下石亜緒と渚蘭丸と言う二人のヒーローを輝かせる、ただそれだけのために費やされるのだ。
 否、そもそもコンビ物と言うのは、コンビを組む二人をいかに物語世界の中で輝かせるか? と言うことに本来の主眼がありそこを成立させずにコンビ物のファクターは満たされないのである。
 その点においては、左団扇奇譚は見事に成功しているといえるだろう。
 
 そしてそれらの論理について記したのが以下のレビューである。

【最高レベルのキャラクター造形が光る! 和風テイスト妖かし始末人奇譚!】

★対象的な個性の男がコンビをなし、トラブルや事件を解決する。いわゆる『キャラ立ち』物としては王道と言えるスタイルだ。古典作品から名を出すなら〝ルパンと次元〟〝ホームズとワトソン〟〝スパイクとジェット〟――彼らなら名前を出すだけでその人物としての全てが克明に想起されるだろう。『名前だけでキャラクターの足跡になる』それほどの作り込みが要求されるのだ。この手のジャンルには。
★だがこのキャラクター造詣がコンビキャラの場合、恐ろしく難しいのだ!
★なぜなら〝目的として同じ方向を向いている〟〝なおかつ華麗なコントラストをなす対象的な個性〟〝コンビでワンセットとなる造形美〟〝どちらも尖った形で有能〟――などなど要求されるファクターは多岐に渡る。これになおかつ一つの〝人〟として外見、癖、性格、欠点、口調、所作、嗜好、能力、経歴――、あらゆるものを息をするように自然に臭ってくるまで作り込まねば、そのキャラクターは生きてこない。これを二人分きっちり。
★はっきり言おう。やろうとしてできることじゃない。
★さて本作。
★万年金欠のコンビ、雨下石亜緒(しずくいし あお)と渚蘭丸(みぎわ らんまる)かれらが営む妖かし始末屋『左団扇』で物語ははじまる。万年貧乏のエキスパート。王道である。そこに持ち込まれる〝事件〟それを2人が鮮やかに解決すると言う形が物語の〝横糸〟の基本フレームだ。
★それに対して〝縦糸〟として亜緒と蘭丸の過去が絡んでくる。亜緒の〝しがらみ〟蘭丸の〝因果〟物語が進む度に2人の過去が紐解かれて現在へとたどり着く。
★しかし、それらの縦糸横糸の織りなす舞台装置は全て、亜緒と蘭丸と言う2人の主人公を輝かせる最高の演出として費やされる。作者がどれだけこの2人に愛情を注ぎ込んで育てたかが伝わる。感服するくらいである。恐るべき母性だ。おかあさん! 貴方の2人の息子は立派に育ってますよ!
★華麗なる妖かし始末人の生き様、とくとご堪能あれ!


 以上だ。
 それにしても表紙のイラストは見事だ。
 コンビキャラ物としてのビジュアルイメージを焼き付けるには最高の手段である。
 だが本文がイラストに負けないだけのボリュームとクオリティを有している。
 これからも期待できる作品である。
 
 
 さて、次回は――
 
 堂々たるSF抒情詩スペクタクル作品
 
 タツマゲドンさんの『【THE TRANSCEND-MEN】 -超越せし者達-』
 
――を予定している。
 
 タツさん。後日ご挨拶にまいります。
 
 でわでわ!!
 
 
 ζ
 ■D:美風
 

小説のネタになりそうな色々を探してみた6『映画や漫画で見たあの銃っていったいいくらするんだろう?』


基本的な問題ですが銃って結構します。
性能の良い銃は更に高いです。
あと生産国によっても変わりますが、自由主義国の銃は高いです。自由経済により値段が変動しますから。逆に社会主義の国の銃は比較的安いです。ただロシアは安くて性能が比較的いいんですが、中国は安くて粗悪です(T_T)
ちなみに一番高価なのは『日本の銃』
そもそも需要がない上に市場マーケットから排除されてますから。
(だからこそ日本の軍事産業関連は海外輸出をしたがってると言う事情がある)

ちなみにお値段という面では、ルパン三世が使ってるワルサーP38は現在生産されてません。
アンティーク扱いで非常に高額です。ルパンが再生産されたレプリカを使ってるとは考えられないので、アンティークで入手したオリジナルを金をかけてフルカスタムして使っているんじゃないかと思います。
次元のS&Wのマグナムリボルバーも、専門のガンスミスでお金をかけてメンテしてるんでしょうね。
ちなみに銭形警部はコルトガバメントだそうです。
日本警察は国産のニューナンブか、自衛隊採用のシグ226辺りで、ガバメントは希少です。
海外に出た際に自分で購入したのかもしれません。あるいは警察関係者から貰ったか。


小説のネタになりそうな色々を探してみた5『ヤクザ屋さんとゆかいな拳銃たち』

 

暴力団が使う拳銃というとロシア製のトカレフが有名ですが、実際にはそれ以外にも色々と使われてます。トカレフは古い銃でして現在は正式採用から外されています。現在流通しているのは中国などで作られた『黒星拳銃』と言うコピー品です。
そのため、暴発が多いのですが、トカレフは本来耐久性があり暴発しにくく、極寒のロシアでも安定して作動する優秀な銃です。