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特攻装警グラウザー、勝手にテーマソング⑥『SNOW』by 千秋  ⑦『Amazing grace』

今回は2曲です!

小説を書いていて時々出くわすのが、登場人物が作者の思わくを超えて自由闊達に語りだすと言う状況。
自分の場合、こちらが考えたとおりに登場人物たちを導きながら書いている事が多い。これは自分が設定優先で書くことが多く、設定に合わせることを優先してしまうためでもある。

だが、当初の目論見なんか通用しなくなるのが長編小説です。
当初想定しなかった登場人物の絡みが出てきたり、必要にかられて追加しなければならないエピソードが出てきたり、
設定そのものや登場人物すらも追加しなければならなくなるケースもある。

グラウザー第1章のお話だと『来訪者』がそう、あれはまるっきり想定外であそこ出ててきた氷室と言う登場人物もはじめは設定すらしてませんでした。だけど突然現れたんだよね。

『ワルキューレ飛ぶ』と『ケルトの残照』で特攻装警たちを見送った近衛の前に唐突に出現した人物がいて、それが氷室だったわけです。あれはまるっきりの想定外、闇社会の恐ろしさを醸し出し、近衛の過去も語ってくれ、しかもセンチュリーの実力すら証明してくれた。さらには第2章でもしっかり動いてくれて緋色会という組織の奥行きも作ってくれる。

ありがとよ氷室の旦那。

お話づくりって何が起きるかほんとに解らない。

予め、設定していた登場人物でも、想定外の動きをするようになることが有ります。
今回のグラウザーのお話だとローラがそれなんですよね。

マリオネットディンキーの残党はベルトコーネとローラが居たわけですが、ローラがクラウンに保護されて以後、すぐにそこから逃げ出してしまう――というのは私自身の想定したものです、ですが、その逃走以後のことを書き始めたらお話の中でローラが本当に勝手にスラスラと動いてしまう。

ラフマニも楊夫人も当初想定してなかったし、七審もローラが勝手に動き始めてから引きずられるようにしてその姿が見えてきた連中なんです。シェンレイはもっと後で出す予定だったし、クラウンもあんなに派手に動くとは思わなかった。それほどにローラというキャラクターが生命力に満ちており、自ら物語を生み出せるだけのクオリティを持っていたと言えるのです。

特に最大級に作者が意図していなかったのは、最新話の『ママ』の部分。あれは完全に予想外。私が当初設定していたローラはあんなに母性を秘めてたキャラじゃなかったんです。それが登場人物の方で私が想定していた設定を全拒否して自分からああ言うドラマを語りだした。もうビックリですわ。

ただ作者としてそう言う状況に出くわした時、執るべき行動は2つ考えられます。
一つは『そんなのこっちの想定どおりじゃないよ』と否定するか、
もう一つは『それも有りだね』と自然に湧いてきた流れを尊重して受け入れるか。
その2つだと思います。あるいは2つを折衷して妥協点を探る方法もある。

いずれにせよ、ローラの場合は全てを受け入れて喋れるだけ喋らせた。結果としては大成功だったと思います。
単なるヤラレ役の悪役アンドロイドだったのが、裏社会の裏ヒロインに生まれ変わったわけです。彼女がハイヘイズの孤児たちを救うために悪戦苦闘することで、そこに特攻装警たちが絡む余地が生まれ、東京アバディーンと言う洋上スラム都市で物語を展開する必然性が出てくる。そしてそこから特攻装警世界の独自性が広がるわけです。これを拒否する理由なんかないわけです。

特攻装警グラウザーって女っ気少ないなぁ――と思ってたんですが、ここに来てやっと読者に自慢できるヒロインが生まれたような気がします。(こう言うことを書くとフィールに怒られますが(笑))
そのローラとフィールはいつ再開するのでしょうか? 楽しみです。

さて――
そのローラにまつわる曲ですが2曲ご紹介。

1曲目はローラが一人でクリスマスの夜をさまよい歩いてラフマニに出会った時の曲です。

SNOW by 千秋(CHIAKI)


まさかの千秋登場です。
ポケットビスケッツ以後のソロ曲でして、裏声を使わないハイトーンボイスがとても魅力的でした。
なにより雪降る街で繰り広げられる切ない恋のものがたりの歌――
第2章でのローラ&ラフマニの光景にぴったりではありますまいか?

そしてそれがこうなるわけです。

Amazing Grace


 いろいろな場面や番組で演奏されてるのでご存じの方も多いのでは無いかと思います。
 故本田美奈子さんも歌って居られた名曲です。

 この曲がグラウザーの本編の中でローラとどう重なるのかは、本文を読んでいただくとして、
 この曲がつくられた背景について少し書こうと思います。

 この曲はキリスト教の賛美歌でして、アメリカの牧師であったジョン・ニュートン氏による作品と言われています。
 実はニュートン氏、若い頃は奴隷貿易船の船長をしていたそうで、当然、奴隷貿易商人にとって奴隷なんて物以下です。どうなろうと知ったこっちゃないでしょう。しかしある日、船が沈没の危機に合い瀕死の状況に陥ります。そこで神に祈り心からの改心を誓ったところ、奇跡的に沈没が回避され九死に一生を得る事となります。その後、奴隷貿易から完全に足を洗い、努力の末に牧師になったといいます。
 ニュートン氏は奴隷貿易に従事していた過去を大変悔いていたそうで、このアメイジング・グレイスにはその己の過去への後悔と、それを許したばかりでなく、命まで救ってくれた神への心からの感謝が連ねられていると言われます。

 ローラとこの曲を重ね合わせたのはまさにこの部分です。
 
 テロアンドロイドとしての殺戮の過去、
 そして、孤児たちを救うために自分を捧げると誓った今――

 それをイメージするにはこの曲しか無いと思ったわけです

 
 そのローラはこの後、どうなるのでしょうか?
 それを読者の皆様にもご覧いただきたいと思います。
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