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レビュー作成裏話【美風慶伍の頭の中】 第5回 【 少女は悪魔に死を願う(旧題、彼女へ捧げるサクラメント) 】

 はい、始まりましたレビュー考察企画第5回

 今までに書き散らしたレビューの総数をチェックしたら軽く120件超えてました
 中には作品をなろうから消した方も居られるので実際にはもっと数は増えると思います。
 
(作品消えててレビューだけ残ってるのってすげー辛いぞ。作家さんがタヒらない運営をほんきでやってくれや! なろう運営さんよ!)

 さて――
 
 これだけ長くあれこれやってると中には合格点に到達しないのも現れるわけでして――
 その場合は私はみなさんもご存知のアレ『ダメ出し』をします。
 
 これで決定的に折れてしまう人もいれば不屈の闘志で這い上がってくる人も居ます。
 そうした不屈の魂を宿した方を私は誇りに思います。
 今回はそうした不屈の作家さんの中から一作品をピックアップ。
 
 作家さんの名は『能登川ツグル』
 素敵な作品の名は『少女は悪魔に死を願う』(旧題、彼女へ捧げるサクラメント)
 
 そしてそれは私美風がダメ出しのスタイルとポリシーを確立させた作品でもあったのです。
 でははじめます。

【 美風慶伍の頭の中 】

第5回
作品名《 少女は悪魔に死を願う』(旧題、彼女へ捧げるサクラメント) 》
作者 《 能登川ツグル 》


 私がレビューをする際、作品を徹底的に査読する。
 その理由はたった1つ。

【その作品の最も面白い〝核〟を見つけ出し、それを徹底的にブラッシュアップしてプッシュする】

 そのためにはやっぱり作品を徹底的に読みこなし、その作品の〝骨組み〟〝世界観〟〝シナリオの流れと到達点〟を把握する必要があります。
 良い作品は冒頭部を数話読むだけで、必要な要素が十分に把握可能で、物語のその後の流れを追うだけで十分に楽しむことが出来るようになっています。
 しかし、その辺りがしっかりと作られていない作品というのは、冒頭部がしっかりしておらず、どんなに読みこなしても作品の全体像が伝わってこなかったり、登場人物にまつわるドラマが見えてこなかったり、作品としても、エンターテイメントとしても、何が言いたいのかが伝わってきません。
 また初期部分の構成に致命的な間違いがあったり、そもそも小説として文章作法や基本セオリーに根本的な間違いがあったりするケースも――
 
 じつは今回の能登川さんの作品『少女は悪魔に死を願う』にはそんな致命的なミスが多数見つかったケースなのです。
 
 例の入院中の大量レビューチャレンジ
 その中の作品群の1つとして本作品には出会いました。
 いわゆる異世界転生――
 チートとかお気楽さは皆無。むしろ、前世での息苦しさが強く描かれており、それが紙面を通じて痛いほどに伝わってきます。
 そして転生――、冒険ファンタジーとしての楽しさよりも、生き抜くことの辛さ困難さ、そしてこの全ての世界に連綿と存在する過酷さ残酷さがこれでもか! と伝わってくる冒頭部でした。
 それは主人公の彼女の転生に立ち会った謎の人物のセリフにも現れています。
 
 ですがここで作者の語る物語は思わぬカタルシスを読者へともたらします。
 

「生まれた! ついに生まれたぞ!」

 このセリフに私は魅了されました。
 多くの転生系が見落としている『生まれなおし』と言う現実。単に異世界の壁を超えるのではなく、一度死した魂が、新たな肉体と生命を得て〝生まれなおす〟――そして人生を再度やり直す。
 それには当然、向こう側の世界にも〝新たな父母〟が主人公を待っています。
 そしてそれは、未知なる新たな親子の絆と言う、より深いドラマへと昇華されるはずなのです。
 
 このワクワクするようなカタルシス!
 
 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 まさにこの心理状態でした。
 そして、目一杯ワクワクしながら次話へとページを捲りましたよ。ええ――
 でも――
 
・・・・・・・・・・・(´・ω・`)
(・ω・  )
(  ・ω・)
(´・ω・`)

( ・ω・ )??? アレっ?

 無いじゃん。
 えっといきなり成長?
 いきなり学生?
 いきなり入学式?
 ねぇ? 親子のドラマは?
 優しい母親は?
 頼りになるお父さんは?
 新しい世界で戸惑いながらも生きようとする姿は?
 そして生い立ちの中でヒロインが味わう苦難は?
 それを乗り越えるドラマは?
 ねえ? ねぇ?
 
 そうなんです本作の初期版ではそこがすっぽり抜け落ちて16歳にいきなり成長してるんです。
 正直言います。
 
「なんじゃこれ?」

 狐につままれるとはまさにこの事。
 新刊書籍を買って読み始めたら10ページ目から50ページ目まで抜け落ちてたような気分。
 それになにより転生後の世界の導入部がごっそり抜け落ちているため全体的なドラマに入っていけないんですよね。
 これは非常に大きな問題でした。
 
 この他にも――
 
※獣人種族を中心とした異世界であるならそれを反映させた描写や社会風俗設定があるはずなのだが、それらが描写不足
※会話描写に置いて『会話文』は充実しているが『地の文』が不足していて、誰が喋った発言なのかが非常にわかりにくい

――と言った大きな問題が散見されました。

 これらの問題をきちんと整理し対処しないと、この索引の肝である――
『一度死して命と体を失い、あらたな世界で再び生を得て再出発する〝生まれなおし〟の物語』
――のコンセプトが生きてこないのです。

 そしてなにより、それらの導入部での展開や描写が不十分なため、その後にヒロインのエリオットに訪れる怒涛のようなジェットコースター的展開――、これが全く生きてこない。
 そして思いました。
 
「勿体無いなぁ――」

 良いものは大量に持ってます。だからこそ頑張ってほしい。
 見えてきた問題点を改善すれば絶対に良くなる! そう思ったからこそしました『ダメ出し』
 
 そしてそのダメ出しメッセージが以下のとおりです

<以下ダメ出し>――――――――――――――――

 Twitterからのご応募ありがとうございました

 申し訳ございません。レビュー執筆にまで至りませんでした。
 理由として以下の点、

1:転生後の〝出生〟してから入学までのプロセスが何もないため、ヒロインの生まれ変わり後の成長が見えず、ヒロインに感情移入ができない。

 生まれ変わった直後、親らしき人の誕生を喜ぶ言葉がありました。これを読んだとき正直すごく感動したんです。
 でも――

 その後がない。

 (´・ω・`)アレっ?

 いきなり16才。映画のフィルムが上映3分後に途切れて、25分後まで飛んだ気分。
 やはりこの物語の場合、生まれ変わった先の世界での両親や家庭、あるいは故郷、そういったものを少しでも描写すべきでしょう。
 転生なのです。生まれ変わりなのです。
 失敗した人生をやりなおし、新しい人生を享受する。
 だが、そこに前世の記憶が残っており、混乱も苦悩もある。
 前世の親と、現世の親、その違いや憧憬や、恐れ、不安、そういった複雑なものをこの手の悩めるヒロインなら持つはずです。そういったプロセス描写と説明が無いため、その後のヒロインに感情移入ができないのです。
 前世での名前が横文字名なのも伏線なのは理解できました。だがやはりそれも、中間プロセスあってこそです。

 前世と現世、その違いを二重に背負っている事のドラマがほしいのです。
 まずそこが1点。

2:文化的背景をもっと!

 特に学園のシーン。
 この手の転生物を散見しててよくあるケースなのですが、我々現代社会の学校の描写と、魔法世界・中世世界の学校では、細かな文化や器物や衣装、民俗などあらゆるものが異なるはずです。そう言う差別化がわかりやすく〝適度〟に図られているからこそ、〝転生した!〟〝異世界にきた!〟と言う感動が読者に伝わるはずなのです。

 例えば、ヒロインたちが授業を受けているときの制服は?
 教室の構造は? 一般的な四角い教室の可能性もある。コンサート会場のように階段状の可能性もある。すり鉢上の円形もある。それは〝文化背景〟を考慮してほんの少しの違いでも印象的に残せるはずなのです。
 
 魔法物の大作として有名なハリー・ポッター
 あれが印象的なのは、今ではほぼなくなってしまった中近世英国の寄宿学校の古い姿を描くことで、現代の学校との差別化をわかりやすく示しているからです。
 
 これは非常に重要です。
 ロープレゲームの世界観を焼いただけの転生物でもほんのちょっとのくふうで、物語の印象に幅が出ます。なにより読者が理解しやすいのです。設定しきれない部分を現代社会のセンテンスで書いてしまうのはあるい程度はしかたありませんが、これもさじ加減です。

3:誰が喋ってるのか、わからない

 これ私も昔やりました。
 複数の人間で喋らせている時に陥りやすい失敗です。
 喋っているのが2人ならまだいい。交互に話すキャッチボールですから。

 これが3人以上になるとセリフ文だけではまずむり。
 行動や仕草などの地の文を加えて説明しないとだめです。

 これだけは文章作法のレベルなのでここでは書けません。
 大切なのは読者がよんで〝識別できるか?〟ということです。

 特に名前が全て横文字と言う事で混乱しにくく、それに拍車をかけてます。

 このお話の場合、敵である恐怖の対象の姿が見えてこないのでなおさら、誰が話しているかはだれの行動なのか? と言うのははっきりとわからせる必要が有ります。
 それができないと、お話の先へと進むことはむりなのです。

***

 かなりキツイことも書きました。
 ですが、お話のテーマ性や、出生時からの生まれ変わりなど、強く引かれるものはありました。正直もっと読みたいと思いました。
 ですからこそ! さらなる執筆を期待します。
 頑張ってください!

<ダメ出しここまで>――――――――――――――

 正直不安もありました。これでどう言う受け取り方をするだろうか? って――
 へそ曲げられたり、あるいは執筆を止めてしまうか?
 ダメ出しって出す方もけっこう怖いんですよ。どう言う結果になるかわからない面もあるから。
 作家さんの心が折れてそのままってケースもある。
 
 で、ビクビクしながら能登川さんの反応を待ってました。
 すると――かなりの好感触。
 お? おおっ?
 それ以上に書き直しも約束していただけました。
 ならば作者さんの頑張りに期待して待つだけです。
 そして――その日は来ました。
 えぇ、指摘した部分の改善版です!
 特にごっそり抜け落ちていた、主人公の幼少時代編――
 それが2話に渡ってしっかりと書かれていました。
 そしてそれをワクワクしながら頁をめくれば――
 
 コンドコソキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
 
 来ました!
 ほんとに来ました!
 そしてそして! 大当たりです!!
 そうだよ! そうそう! これこれ! この展開とカタルシスが見たかったんだよ!
 過去の記憶を引きずりながらの生れなおし。そして転生後の彼女に降りかかる不幸と困難と災厄――
 まるで生まれ直したことそのものが罰であるかのような不幸っぷり――
 
 中身をここで全部書くわけにはいかないのでこの辺にしとくがすごいんだよこれが!
 
 そして1つ目の幼少期の描写問題が解決できた後にさらに改善されたのは、その幼少期からの生い立ちが丹念に書かれたことにより〝その世界独特の風俗や生活、そして我々現代社会との違い〟が明確に分かりやすく描かれたという事だ。これは大きい。
 ハイファンタジー作品であるなら、ファンタジー独特の世界観があるであろうし、何よりもその世界の生活様式が適度な描写で伝わるようにしなければならない。
 その命題がしっかりと解決されていました。
 
 さらにはもう一つの問題――〝セリフの識別問題〟も大幅改善です。
 今度は誰のセリフなのか? 誰が離しているのか? ――が明確にわかるようになりました。劇的な改善です。
 そしてこれらの3つが改善されたことで〝その後の部分〟へと進むことが可能になったのです。

 冒頭部で躓いていれば、その先へと読者が進んでいかないのは当然のこと。それを解決して冒頭部と導入部で読者をガッチリと掴んで物語の流れへと乗せてやり、序破急の怒涛の流れへと導くことが出来るようになります。3つの点の改善でそれが可能となったのです。

 すなわちこれぞ完成版です
 
〝入り口〟が改善されたことでその先の物語からの見えてきた事、それは主人公であるヒロインのエリオットの身にこれでもか!これでもか!と波濤の津波のごとく連続で畳み掛けてくる不運と不幸の連続!
 それから逃れるために逃避行と冒険が幕を開ける。そして、エリオットの旅路の先々において遭遇する謎と怪異の数々――
 物語の裏側に隠された巨大な謎と悪意の存在が見えてきたのです。
 
 そしてそれを追ううちに物語のさらにその奥へと進まずにはいられない〝謎の中毒感〟
 もう夢中になって読みましたよ。えぇ――
 これで決まりました。レビュー確定が。
 
 そして、完全版の内容の中で見つけ出した〝面白さの核〟の数々――
 
 ・生れなおしと言うある意味、転生物のもう一つのありかた
 ・前世の記憶を引きずるがゆえの〝転生後のハンデ〟
 ・そして転生後に訪れた一抹の幸せと、それを嘲笑うかのように畳み掛けてくる不運と不幸の数々
 ・さらに悲劇的な逃避行の末に見えてくる〝悪魔〟の存在――
 ・ジェットコースターの様な怒涛のストーリー展開
 
――それらを意識してつめこんで作り上げたレビューがこれだ


★あえて言おう【コレが本当の転生物なのだ】
★エリオット――彼女は自らの名をそうとしか記憶してない。現世に絶望して絶望して自らを責め続け、そして自らの命に罰を下してしまった愚かな少女。そして彼女はさらなる〝罰〟をうける★見知らぬ世界で新たな両親の元から〝生まれ直し〟したエリオット。現世の知識と認識の一部を引きずり戸惑い、そして転生であるがゆえの〝無魔力〟と言う重いハンデを背負いつつも心優しい〝新しい父母〟の元でやり直そうと懸命に努力する★だが度重なる理不尽が彼女を襲う。新たな父母に降りかかる災厄、失われる大切な学び舎。だが彼女には落涙する暇もない★ジェットコースターの様に怒涛の展開で獣人少女エリオットの苦難満ちた旅が続く。そして彼女を襲う〝悪魔〟の正体とは?★生命のやり直しと言うコンセプトに正面から堂々と挑んだ意欲作だ!★この物語を転生物の枠で括らないでほしい。これは正統ハイファンタジーだ


 私はダメ出しはガッツリと行う。それはこれからも変わらない。
 そしてそのダメ出しを乗り越えて来た努力作は必ず評価する。
 努力するものたちに栄光は微笑むのだ。
 
 さて次回は――
 
 日暮キルハさんの

『異世界ハーレムはただしイケメンに限る』

 のレビューを解説する
 
 私はそれまで転生系に偏見を持っていたが、いくつかの作品とともに私の目を開かせてくれた傑作の1つである。


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