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レビュー作成裏話【美風慶伍の頭の中】 第4回 【 【THE TRANSCEND-MEN】 ー超越せし者達ー 】

 さて――
 かなり間が空いてしまったレビュー解説の『美風慶伍の頭の中』
 サボってたわけじゃないです。年末年始が挟まったのと、ちょっとあることを待ってたんです。
 それと、今回は2度めのSF――、それも壮大な世界観を背景に持ったドラマチックSFスペクタクル作品。
 壮大かつ悠久の広がりを持つ世界観の中で、SFならではの知的好奇心をくすぐるアクション性に満ちたドラマ。
 考えてみればハリウッド映画の大ヒット作って大抵はSFの範疇に属するものばかり。
 ならば、ハリウッド並みのスケールと奥行きを持ったSF長編を作ることは、なろう作家といえど不可能ではないはずです。
 そしてここに、その壮大かつ困難な大事業に果敢に立ち向かった偉大なる大馬鹿野郎が1人。

 その人の名は『タツマゲドン』
 作品の名は『【THE TRANSCEND-MEN】 ー超越せし者達ー』
 
 そしてそれはある1人のレビュワーを大いに悩ませることになるのです。
 それこそ胃が痛くなるくらいに。
 
 でははじめます。

【 美風慶伍の頭の中 】

第4回
作品名《 【THE TRANSCEND-MEN】 ー超越せし者達ー 》
作者 《 タツマゲドン 》

 さて――
 すでにご承知の人もおられるだろうが、私こと美風はある基準のもとにレビューの可/不可を判断している人間である。
 それは『レビューして読者の方々にどうしても知らしめておすすめしたい『面白さの核』があるか否か?』と言う点だ。
 
 逆を返せば、オススメするに足る『面白さ』や『楽しさ』や『付加価値』があれば、私は多少の欠点は気にせずに堂々とレビューをする。実際、文章能力や文体などに致命的な問題があっても、レビューした事例はいくつもある。
 逆に文章作法や基本的な物の書き方ができていても、レビューをしてまで読者に知らしめたいと思える様な『楽しみの核』『絶大な付加価値』が見いだせない作品はレビュー未到達としてダメ出しをしている。
 このダメ出しが場合によっては作家さんの心をへし折ってしまう事もあるので心苦しいのは事実なのだが、そう言うキツいスタンスも確固たる理由があってのことだというのは告知済みなので私は遠慮しない。そのスタンスはこれからも変わらない。なので私にレビュー依頼をする人は覚悟するように。
 
 さて――
 
 だがここで私を大いに悩ませるタイプの作品が往々にして登場する。
 それは――
 
【 レビューをしてまで読者に知らしめたい『面白さの核』を持っているが、同時に致命的な問題があるゆえにレビュー投下して作品の存在を知らしめる事がリスキーな作品 】

――である。

 つまりどういう事かというと――
 
【 レビュー可/不可のギリギリの線上となる微妙なボーダーライン作品 】

――があると言うことである。

 いや実際、ほんとに多いんだ!!
 
 プッシュポイントとデメリットポイントが同等に共存するが故に、どっちに判断した方がいいのか徹底的に悩ませられるのだ。少なくともレビュー依頼をしてきた人をがっかりさせたくない。しかし同時に、レビューを通じて作品を知らしめることで作品の致命的な欠点が明らかになり、レビューが効果を発揮しないばかりか、看板に偽りありとして作品にアンチがつく事すらありえるのである。
 
 こうなると読者を増やすのはもはや困難となる。
 そんな馬鹿な?! と思われるかもしれないが、読者は恐ろしくシビアで残酷なのだ。
 面白ければ読んでくれるし、つまらなければ二度と読んでくれない。
 たった一通のレビューが作品を爆発的に盛り上げることもあれば、永遠にとどめを刺してしまうこともある。だからこそレビューは怖いのである。
(蛇足ながら、だからこそ作品の本質を理解してくれるレビュワーを徹底的に探すことをオススメする)

 さて本作【THE TRANSCEND-MEN】 ー超越せし者達ーである。
 
 一読してSF、それもハリウッド映画ばりに壮大な世界観を持ったドラマチックSFスペクタクル作品だと言うのはすぐに判った。それも背景世界も、設定も、徹底してしっかりしている。アンダーソン少年を中心として展開される人間関係も、超越の特殊能力によるバトル描写も、SF作品として肝のハイテクノロジー描写も皆しっかりしている。それぞれの各パーツを見れば非の打ち所も無いくらいだ!
 
 そもそも――
 新規の未知なるハイテクノロジーを登場による変革した世界を舞台とした物語と言うのは、大ヒットアニメでは定番のスタイルなのだ。

 波動エンジンの技術供与により宇宙戦艦を完成させた『宇宙戦艦ヤマト』
 光子力エネルギーと超合金による戦闘ロボットの闘いを描いた『マジンガーZ』
 ミノフスキー粒子によるモビルスーツの開発の成功により、コロニー世界での宇宙戦争を描いた『機動戦士ガンダム』
 汎用人型決戦兵器の開発と戦闘運用をめぐる人間ドラマが交錯する『新世紀エヴァンゲリオン』
 
 どれもがド定番の作品ばかりだ。
 ハリウッド映画もそうだ。
 
 タイムマシンの発明をめぐる歴史ミステリーアクション『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
 汎銀河規模の宇宙文明の興亡を描いた『スターウォーズ』
 宇宙へと進出した遠未来の人類文明と異星人文明の接触と興亡を描いた『スタートレック』
 
 漫画から範をとるなら――
 
 人間の超能力開発をめぐる陰謀と騒乱を描いた『アキラ』
 サイボーグ技術とネットワーク技術が社会の細部にまで浸透した未来世界を描いた『攻殻機動隊』
 人型作業ロボットが社会の隅々にまで浸透した日本の未来絵図を描いた『機動警察パトレイバー』
 
 どれもが登場するテクノロジーがいかなるものなのか? を想像すると物語の全体像が速やかに浮かぶほどに明確に描かれているものばかりだ。
 そしてこの手の手法はファンタジー作品でも『その作品独自の論理法則の確立』と言う手段で、連綿と使われており、今後も絶えることのない超王道のスタイルといえるのだ。
 
(脱線だが、あの『けものフレンズ』もこの手法によるものと言えなくもない。生物を進化させるサンドスターの存在と、フレンズを捕食する上位者であるセルリアン、そしてその背景に存在する『人類滅亡』と言う事実――、そこから始まる物語であるけものフレンズは、テクノロジーによる世界変革をキーにした作品と言えるのだ)

 ■ ■ ■ ■ ■

 さて翻ってこの【THE TRANSCEND-MEN】 ー超越せし者達ーである。
 
 この作品には4つのキーワードが登場する。
 
 新素粒子「エネリオン」「インフォーミオン」
 新物質「ユニバーシウム」
 新兵器「トランセンド・マン」
 
 新粒子の登場と、それを利用した新物質の開発、さらにはそれらを応用した新兵器の存在、
 それらが影となり日向となり、世界をダイナミックに変革していく。
 物語の冒頭部では、その変革の歴史的工程が事細かに描かれていく。
 そして始まる〝世界の新たなる秩序〟
 物語は作品の主題である【THE TRANSCEND-MEN】 ー超越せし者達ーへと到達し、最初の章を終える。
 そこまでが本作の事実上の第1章である『Genesis』として描かれる。
 
 このGenesis編には、物語本来の主要登場人物は殆ど登場しない。
 なぜなら例えて言うのなら、
 
 機動戦士ガンダムにおける――

『ミノフスキー粒子の発見と開発の歴史』や
『モビルスーツ開発ヒストリー』あるいは
『スペースコロニーの建設と普及とコロニー国家の成立』

――などと言った物語本編の開始前のプレストーリー、プレヒストリーに相当する部分だからだ。

 商業作品の場合、漫画でもアニメでも映画でも、これらに相当する部分を描くことはまず無い。いわゆる【尺】の問題で入り切らないからだ。だから背景設定として匂わせるだけにとどめたり、関連雑誌などで紙面にて掲載したり、あるいは読者の想像の余地にゆだねる事になる。
 
 そして作品本編でリカバリー出来る範囲内に収めるために、作品未発表の部分が大量に発生することになるのだ。
 
 だが――
 
 この【THE TRANSCEND-MEN】 ー超越せし者達ーは違う。
 小説である事、アマチュア作品である事のメリットを最大限かつフルに活かし、徹底的に歴史ドラマの1ページとして、驚異的な密度と精度で、ある種変質的とも言えるクオリティで徹底的に書き込んで見せるのだ。恐るべき執念と誠意だ。
 その作者のSFストーリーテラーとしての誇りでありポリシーがGenesis編であり、最大のこだわりだろうと私は見ている。
 
 そうこの作品はGenesis編無くしては成立し得ないのだ。
 
 その後、物語はいよいよ作品の編へと突入する。
 アンダーソン少年を主人公とした物語は、Category 0 : Birthから始まり、いよいよドラマチックSFスペクタクルアクションとしての本領を発揮する事になるのだ!
 ココまで到達できればもう心配いらない。ハリウッド映画のさながらの緻密かつドラマチックなストーリーがジェットコースターの如く怒涛に流れ始まるのだ。

 超越した力を持つ者たちと謎の少年アンダーソン、そして彼を巡って対立し合う様々な存在や組織の存在――、作品の中に『異能バトル』『能力バトル』の要素を巧みにはらみつつ、絶妙な物語の流れへと読者を引き込んでいくのである。 
 
 と――
 
 ここまで文章を読んだそこのアナタ、気づいただろうか?
 
 本編であるCategory編が始まるまでのGenesis編――
 
 Genesis編が世界背景の周知徹底を主眼としているため、純粋にSF的な情景描写が続くセクションだ。しかしながら作品の主要登場人物はなかなか登場しない。このGenesis編を開いて目を通したときにしびれをきらせずに最後まで付き合えるかどうか? 初版の【THE TRANSCEND-MEN】の構成では、多くの読者がここで心を折られてしまうのでは? と思えるくらいに読み続けたい! と思える引き込みに乏しいのである

 事実私も一度は断念しかけた。いつ本編が始まるのだろう? と困惑してしまったのだ。
 
 だがレビュワーとして、本編を読まずにレビューの可否を決める事などできない。
 この作品の面白さの核はなんなのか? おすすめできる事の本質は何なのか? それをつかむためにはさらに奥へと読まねばならないと確信を抱いていた。そして、Category編へと到達――
 
 そして思った。
 
【 この作品はCategory編からが超絶的に面白い!! 】

 SFと言うくくりが勿体無いくらいのエンタメ性とドラマチック性に溢れていたのである。
 特に主人公のアンダーソン少年が自らの居場所と決めるチームとの関わり合いの描写は胸に迫る物があり、とくにトレバーなる老人物とアンダーソン少年との師弟関係の様なかかわり合いは見事と言わざるをえないほどのクオリティなのである。

(スターウォーズのオビワンとルークの関係性を思い出してもらいたい。あれに匹敵する面白さなのだ。あれは初期3部作のスターウォーズの最重要部分である)
 
 そこまで読み込んで気づいた事。
 
【 Category編の面白さに到達するまでに、Genesis編を読みこなし終えられるか? 】

 本作品の問題はこれなのである。そこで徹底的に悩んでしまった。

 Genesis編は後のCategory編を楽しむための重要エッセンスであり、楽しめる予備知識として必要な部分だ。だがそのGenesis編をSF耐性の薄いなろう読者にも楽しんでもらえるようにレビューにて説明できるだろうか? 果たしてどうレビューすれば?
 
 タツマゲドン氏に「Genesisをなんとかしてよ」とのたもうてレビュー不可とするのは簡単である。だがそれでは作品の可能性を引き出すためのダメ出しにはならない。
 
「こうしたらもっと読者にアピールしやすくなる! そして面白さを引き出せるはず!」

――といえるまでにレビューとダメ出しを両面で出さねばならないのである。
  
 ならばどうすればいいのか?
 ここで私は2つの方策を取ることにした。
 
①Genesis編の価値を徹底的に後押ししてブラッシュアップするレビューを書く。同時に、Genesisの後に超絶的に面白い本編が待っている事を読者に突きつける。

 まずレビューにて、Genesis編の価値を補完できるようなレビューを作成し、さらにGenesisの後のCategory編の面白さをコレでもかとレビューにてアピールする。この方針でレビュー文を作成する。
 そしてもう一つ――
 
②作品の構成が、Genesis編とCategory編とで離断しており、読者がGenesis編で折れてしまう可能性がある事をダメ出しする。さらに構成を一工夫して、Genesis編その物を、Category編の物語の流れへと取り込み、2つを地続きにする方策を考えてほしいと指摘する。

――これを感想でタツマゲドン氏に伝えたのだ。


 つまりレビューにて本作品の面白さの有りかをアピールして、Genesis編とCategory編のつながりを補完。さらに、感想でのダメ出しを通じて、この点の問題点を指摘。さらなる改善を促すと言う方針で挑んだのである。
 
 そしてコレを前提としたレビュー文が以下である


【壮烈なるSF抒情詩世界観。ハリウッド映画に殴り込める程のストーリーパワーを味わいつくせ!】

★SFを基盤とした物語創造において、新エネルギー新素材新概念、それらを物語のスタート地点とした作品はある意味王道だ。具体名は挙げないが我々はそれらの作品を知っている。だが多くは時間的尺と言う制限に阻まれ細かな点は描かれない。見る者の想像の余地に委ねられる。だがこの作品は違う。根本が異なるのだ
★新素粒子、新物質、新兵器――、王道のSFキーワードを種として作者はまず丹念かつ濃密に世界の根幹となる背景世界を神の視座で描きぬく
★次いでその世界に生きる者の過酷な現実を戦いの最前線の姿から映し出す★作者に対して敬服するのは〝小説〟と言う媒体で許される限界へと、意味変質的とも言える丁寧さで紙面に刻みつける姿勢だ。その執念に敬服である
★だが物語は一人の少年の出現をもってSF的闘争世界を生きるヒーローの出現を予感させてくれる。アンダーソンとソレを囲む人間性あふれる仲間がそれだ。これもSF娯楽大作の王道である


 そしてもう一つ――
 私がなぜ、このレビュー解説記事【美風慶伍の頭の中】の第4回をこの時期まで伸ばしたのか? と言う点についてだが、それにはある理由があるのだ。

【タツマゲドン氏は私のダメ出しに真っ向からしっかりと答えてくれたのだ!】

 敬服である。作者がレビュワーの無茶なダメ出しから逃げずに真っ向から立ち向かってくれたのだ。ならばそれをしっかりと受け止め評価する解説記事を書くのが妥当なはずだ。

 Genesisが丹念に改稿され、冒頭部に新たにfirst編が添えられているのが分かるだろうか?

 私が指摘したGenesis編とCategory編の連続性・接続性の問題をしっかりと認識して手を加えてくれたのである。
 
これこそが【THE TRANSCEND-MEN】 ー超越せし者達ー の完全版である。
 
 本作をあなたの目でしっかりと見て欲しい。
 超絶に面白いSFはここにある

さて次回は――

能登川ツグルさんの名作
『少女は悪魔に死を願う』
――を解説する。
これもまた私のダメ出しを乗り越えた努力作である。

ζ
■D:美風



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