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長編ファンタジー作品
旋風のルスト
~逆境少女の傭兵ライフと、無頼英傑たちの西方国境戦記~
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   更新はほぼほぼありません。
   ツイッターのほうが色々やってます。
   ごめんね。     

レビュー作成裏話【美風慶伍の頭の中】 第5回 【 少女は悪魔に死を願う(旧題、彼女へ捧げるサクラメント) 】

 はい、始まりましたレビュー考察企画第5回

 今までに書き散らしたレビューの総数をチェックしたら軽く120件超えてました
 中には作品をなろうから消した方も居られるので実際にはもっと数は増えると思います。
 
(作品消えててレビューだけ残ってるのってすげー辛いぞ。作家さんがタヒらない運営をほんきでやってくれや! なろう運営さんよ!)

 さて――
 
 これだけ長くあれこれやってると中には合格点に到達しないのも現れるわけでして――
 その場合は私はみなさんもご存知のアレ『ダメ出し』をします。
 
 これで決定的に折れてしまう人もいれば不屈の闘志で這い上がってくる人も居ます。
 そうした不屈の魂を宿した方を私は誇りに思います。
 今回はそうした不屈の作家さんの中から一作品をピックアップ。
 
 作家さんの名は『能登川ツグル』
 素敵な作品の名は『少女は悪魔に死を願う』(旧題、彼女へ捧げるサクラメント)
 
 そしてそれは私美風がダメ出しのスタイルとポリシーを確立させた作品でもあったのです。
 でははじめます。

【 美風慶伍の頭の中 】

第5回
作品名《 少女は悪魔に死を願う』(旧題、彼女へ捧げるサクラメント) 》
作者 《 能登川ツグル 》


 私がレビューをする際、作品を徹底的に査読する。
 その理由はたった1つ。

【その作品の最も面白い〝核〟を見つけ出し、それを徹底的にブラッシュアップしてプッシュする】

 そのためにはやっぱり作品を徹底的に読みこなし、その作品の〝骨組み〟〝世界観〟〝シナリオの流れと到達点〟を把握する必要があります。
 良い作品は冒頭部を数話読むだけで、必要な要素が十分に把握可能で、物語のその後の流れを追うだけで十分に楽しむことが出来るようになっています。
 しかし、その辺りがしっかりと作られていない作品というのは、冒頭部がしっかりしておらず、どんなに読みこなしても作品の全体像が伝わってこなかったり、登場人物にまつわるドラマが見えてこなかったり、作品としても、エンターテイメントとしても、何が言いたいのかが伝わってきません。
 また初期部分の構成に致命的な間違いがあったり、そもそも小説として文章作法や基本セオリーに根本的な間違いがあったりするケースも――
 
 じつは今回の能登川さんの作品『少女は悪魔に死を願う』にはそんな致命的なミスが多数見つかったケースなのです。
 
 例の入院中の大量レビューチャレンジ
 その中の作品群の1つとして本作品には出会いました。
 いわゆる異世界転生――
 チートとかお気楽さは皆無。むしろ、前世での息苦しさが強く描かれており、それが紙面を通じて痛いほどに伝わってきます。
 そして転生――、冒険ファンタジーとしての楽しさよりも、生き抜くことの辛さ困難さ、そしてこの全ての世界に連綿と存在する過酷さ残酷さがこれでもか! と伝わってくる冒頭部でした。
 それは主人公の彼女の転生に立ち会った謎の人物のセリフにも現れています。
 
 ですがここで作者の語る物語は思わぬカタルシスを読者へともたらします。
 

「生まれた! ついに生まれたぞ!」

 このセリフに私は魅了されました。
 多くの転生系が見落としている『生まれなおし』と言う現実。単に異世界の壁を超えるのではなく、一度死した魂が、新たな肉体と生命を得て〝生まれなおす〟――そして人生を再度やり直す。
 それには当然、向こう側の世界にも〝新たな父母〟が主人公を待っています。
 そしてそれは、未知なる新たな親子の絆と言う、より深いドラマへと昇華されるはずなのです。
 
 このワクワクするようなカタルシス!
 
 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 まさにこの心理状態でした。
 そして、目一杯ワクワクしながら次話へとページを捲りましたよ。ええ――
 でも――
 
・・・・・・・・・・・(´・ω・`)
(・ω・  )
(  ・ω・)
(´・ω・`)

( ・ω・ )??? アレっ?

 無いじゃん。
 えっといきなり成長?
 いきなり学生?
 いきなり入学式?
 ねぇ? 親子のドラマは?
 優しい母親は?
 頼りになるお父さんは?
 新しい世界で戸惑いながらも生きようとする姿は?
 そして生い立ちの中でヒロインが味わう苦難は?
 それを乗り越えるドラマは?
 ねえ? ねぇ?
 
 そうなんです本作の初期版ではそこがすっぽり抜け落ちて16歳にいきなり成長してるんです。
 正直言います。
 
「なんじゃこれ?」

 狐につままれるとはまさにこの事。
 新刊書籍を買って読み始めたら10ページ目から50ページ目まで抜け落ちてたような気分。
 それになにより転生後の世界の導入部がごっそり抜け落ちているため全体的なドラマに入っていけないんですよね。
 これは非常に大きな問題でした。
 
 この他にも――
 
※獣人種族を中心とした異世界であるならそれを反映させた描写や社会風俗設定があるはずなのだが、それらが描写不足
※会話描写に置いて『会話文』は充実しているが『地の文』が不足していて、誰が喋った発言なのかが非常にわかりにくい

――と言った大きな問題が散見されました。

 これらの問題をきちんと整理し対処しないと、この索引の肝である――
『一度死して命と体を失い、あらたな世界で再び生を得て再出発する〝生まれなおし〟の物語』
――のコンセプトが生きてこないのです。

 そしてなにより、それらの導入部での展開や描写が不十分なため、その後にヒロインのエリオットに訪れる怒涛のようなジェットコースター的展開――、これが全く生きてこない。
 そして思いました。
 
「勿体無いなぁ――」

 良いものは大量に持ってます。だからこそ頑張ってほしい。
 見えてきた問題点を改善すれば絶対に良くなる! そう思ったからこそしました『ダメ出し』
 
 そしてそのダメ出しメッセージが以下のとおりです

<以下ダメ出し>――――――――――――――――

 Twitterからのご応募ありがとうございました

 申し訳ございません。レビュー執筆にまで至りませんでした。
 理由として以下の点、

1:転生後の〝出生〟してから入学までのプロセスが何もないため、ヒロインの生まれ変わり後の成長が見えず、ヒロインに感情移入ができない。

 生まれ変わった直後、親らしき人の誕生を喜ぶ言葉がありました。これを読んだとき正直すごく感動したんです。
 でも――

 その後がない。

 (´・ω・`)アレっ?

 いきなり16才。映画のフィルムが上映3分後に途切れて、25分後まで飛んだ気分。
 やはりこの物語の場合、生まれ変わった先の世界での両親や家庭、あるいは故郷、そういったものを少しでも描写すべきでしょう。
 転生なのです。生まれ変わりなのです。
 失敗した人生をやりなおし、新しい人生を享受する。
 だが、そこに前世の記憶が残っており、混乱も苦悩もある。
 前世の親と、現世の親、その違いや憧憬や、恐れ、不安、そういった複雑なものをこの手の悩めるヒロインなら持つはずです。そういったプロセス描写と説明が無いため、その後のヒロインに感情移入ができないのです。
 前世での名前が横文字名なのも伏線なのは理解できました。だがやはりそれも、中間プロセスあってこそです。

 前世と現世、その違いを二重に背負っている事のドラマがほしいのです。
 まずそこが1点。

2:文化的背景をもっと!

 特に学園のシーン。
 この手の転生物を散見しててよくあるケースなのですが、我々現代社会の学校の描写と、魔法世界・中世世界の学校では、細かな文化や器物や衣装、民俗などあらゆるものが異なるはずです。そう言う差別化がわかりやすく〝適度〟に図られているからこそ、〝転生した!〟〝異世界にきた!〟と言う感動が読者に伝わるはずなのです。

 例えば、ヒロインたちが授業を受けているときの制服は?
 教室の構造は? 一般的な四角い教室の可能性もある。コンサート会場のように階段状の可能性もある。すり鉢上の円形もある。それは〝文化背景〟を考慮してほんの少しの違いでも印象的に残せるはずなのです。
 
 魔法物の大作として有名なハリー・ポッター
 あれが印象的なのは、今ではほぼなくなってしまった中近世英国の寄宿学校の古い姿を描くことで、現代の学校との差別化をわかりやすく示しているからです。
 
 これは非常に重要です。
 ロープレゲームの世界観を焼いただけの転生物でもほんのちょっとのくふうで、物語の印象に幅が出ます。なにより読者が理解しやすいのです。設定しきれない部分を現代社会のセンテンスで書いてしまうのはあるい程度はしかたありませんが、これもさじ加減です。

3:誰が喋ってるのか、わからない

 これ私も昔やりました。
 複数の人間で喋らせている時に陥りやすい失敗です。
 喋っているのが2人ならまだいい。交互に話すキャッチボールですから。

 これが3人以上になるとセリフ文だけではまずむり。
 行動や仕草などの地の文を加えて説明しないとだめです。

 これだけは文章作法のレベルなのでここでは書けません。
 大切なのは読者がよんで〝識別できるか?〟ということです。

 特に名前が全て横文字と言う事で混乱しにくく、それに拍車をかけてます。

 このお話の場合、敵である恐怖の対象の姿が見えてこないのでなおさら、誰が話しているかはだれの行動なのか? と言うのははっきりとわからせる必要が有ります。
 それができないと、お話の先へと進むことはむりなのです。

***

 かなりキツイことも書きました。
 ですが、お話のテーマ性や、出生時からの生まれ変わりなど、強く引かれるものはありました。正直もっと読みたいと思いました。
 ですからこそ! さらなる執筆を期待します。
 頑張ってください!

<ダメ出しここまで>――――――――――――――

 正直不安もありました。これでどう言う受け取り方をするだろうか? って――
 へそ曲げられたり、あるいは執筆を止めてしまうか?
 ダメ出しって出す方もけっこう怖いんですよ。どう言う結果になるかわからない面もあるから。
 作家さんの心が折れてそのままってケースもある。
 
 で、ビクビクしながら能登川さんの反応を待ってました。
 すると――かなりの好感触。
 お? おおっ?
 それ以上に書き直しも約束していただけました。
 ならば作者さんの頑張りに期待して待つだけです。
 そして――その日は来ました。
 えぇ、指摘した部分の改善版です!
 特にごっそり抜け落ちていた、主人公の幼少時代編――
 それが2話に渡ってしっかりと書かれていました。
 そしてそれをワクワクしながら頁をめくれば――
 
 コンドコソキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
 
 来ました!
 ほんとに来ました!
 そしてそして! 大当たりです!!
 そうだよ! そうそう! これこれ! この展開とカタルシスが見たかったんだよ!
 過去の記憶を引きずりながらの生れなおし。そして転生後の彼女に降りかかる不幸と困難と災厄――
 まるで生まれ直したことそのものが罰であるかのような不幸っぷり――
 
 中身をここで全部書くわけにはいかないのでこの辺にしとくがすごいんだよこれが!
 
 そして1つ目の幼少期の描写問題が解決できた後にさらに改善されたのは、その幼少期からの生い立ちが丹念に書かれたことにより〝その世界独特の風俗や生活、そして我々現代社会との違い〟が明確に分かりやすく描かれたという事だ。これは大きい。
 ハイファンタジー作品であるなら、ファンタジー独特の世界観があるであろうし、何よりもその世界の生活様式が適度な描写で伝わるようにしなければならない。
 その命題がしっかりと解決されていました。
 
 さらにはもう一つの問題――〝セリフの識別問題〟も大幅改善です。
 今度は誰のセリフなのか? 誰が離しているのか? ――が明確にわかるようになりました。劇的な改善です。
 そしてこれらの3つが改善されたことで〝その後の部分〟へと進むことが可能になったのです。

 冒頭部で躓いていれば、その先へと読者が進んでいかないのは当然のこと。それを解決して冒頭部と導入部で読者をガッチリと掴んで物語の流れへと乗せてやり、序破急の怒涛の流れへと導くことが出来るようになります。3つの点の改善でそれが可能となったのです。

 すなわちこれぞ完成版です
 
〝入り口〟が改善されたことでその先の物語からの見えてきた事、それは主人公であるヒロインのエリオットの身にこれでもか!これでもか!と波濤の津波のごとく連続で畳み掛けてくる不運と不幸の連続!
 それから逃れるために逃避行と冒険が幕を開ける。そして、エリオットの旅路の先々において遭遇する謎と怪異の数々――
 物語の裏側に隠された巨大な謎と悪意の存在が見えてきたのです。
 
 そしてそれを追ううちに物語のさらにその奥へと進まずにはいられない〝謎の中毒感〟
 もう夢中になって読みましたよ。えぇ――
 これで決まりました。レビュー確定が。
 
 そして、完全版の内容の中で見つけ出した〝面白さの核〟の数々――
 
 ・生れなおしと言うある意味、転生物のもう一つのありかた
 ・前世の記憶を引きずるがゆえの〝転生後のハンデ〟
 ・そして転生後に訪れた一抹の幸せと、それを嘲笑うかのように畳み掛けてくる不運と不幸の数々
 ・さらに悲劇的な逃避行の末に見えてくる〝悪魔〟の存在――
 ・ジェットコースターの様な怒涛のストーリー展開
 
――それらを意識してつめこんで作り上げたレビューがこれだ


★あえて言おう【コレが本当の転生物なのだ】
★エリオット――彼女は自らの名をそうとしか記憶してない。現世に絶望して絶望して自らを責め続け、そして自らの命に罰を下してしまった愚かな少女。そして彼女はさらなる〝罰〟をうける★見知らぬ世界で新たな両親の元から〝生まれ直し〟したエリオット。現世の知識と認識の一部を引きずり戸惑い、そして転生であるがゆえの〝無魔力〟と言う重いハンデを背負いつつも心優しい〝新しい父母〟の元でやり直そうと懸命に努力する★だが度重なる理不尽が彼女を襲う。新たな父母に降りかかる災厄、失われる大切な学び舎。だが彼女には落涙する暇もない★ジェットコースターの様に怒涛の展開で獣人少女エリオットの苦難満ちた旅が続く。そして彼女を襲う〝悪魔〟の正体とは?★生命のやり直しと言うコンセプトに正面から堂々と挑んだ意欲作だ!★この物語を転生物の枠で括らないでほしい。これは正統ハイファンタジーだ


 私はダメ出しはガッツリと行う。それはこれからも変わらない。
 そしてそのダメ出しを乗り越えて来た努力作は必ず評価する。
 努力するものたちに栄光は微笑むのだ。
 
 さて次回は――
 
 日暮キルハさんの

『異世界ハーレムはただしイケメンに限る』

 のレビューを解説する
 
 私はそれまで転生系に偏見を持っていたが、いくつかの作品とともに私の目を開かせてくれた傑作の1つである。


拙作、特攻装警グラウザー、スピンオフ3編ご紹介【オフタイム】【レクイエム】【ヴァルキュリア】

SFアクション長編シリーズ
特攻装警グラウザー

そこからスピンオフとして作成した3篇を紹介します

特攻装警の紅一点、フィールが自分自身の戦いの日々について振り返ったモノローグストーリー
ヴァルキュリア

特攻装警世界での警察官たちの別れの儀式のエピソード
レクイエム

これに加え、本編のショートストーリーであるアトラスのプライベート譚を抜き出した
オフタイム

以上3篇のご紹介でした


ライブツイートログ12【 特攻装警グラウザー打ち明け話⑤ 】

|ω・`)ノ ヤァ
今日もライブツイート講座の時間だよー
待った?
まいどまいど飽きもせず
毎週土曜よる9時台のエクスタシー
皆さんいかがお過ごしでしょうか?
福島県磐梯山の定点観測員258号こと
美風慶伍です
というわけで――――
今夜も始めます!!
ライブツイート企画!
特攻装警グラウザーの悪役裏話第3回!!
『特攻装警グラウザー打ち明け話、パート3(3)』

反応が不安だけど粛々と進める。

さて自作品である特攻装警において、悪役を以下のように分けた

①作品の基本設定段階で確立していた
②作品のプロットを作る段階で誕生
③実際に作品を書き進めながら必要に応じて生み出された
④、基本設定段階では考えたけど出番なくしてお蔵入り

復習すると

①作品の根幹的な世界観確立に関わっているキャラ

マリオネット・ディンキー、
緋色会のステルスヤクザの天龍
LOST B.

②各エピソードのメインファクターであり、物語を強力に動かす原動力となる

黒竜
ディンキー配下のマリオネット
クラウン

などを紹介した

今回は③である

③は『執筆を開始してからお話の流れで自然発生』した悪役であり――

つまりは【世界観】【背景設定】【物語のメインストーリー】などが確立されてから生み出されたキャラクターたちだ。
言い換えれば物語の幕が上がってからアドリブ的に生み出されたキャラクターたちである

この③に該当するのは

1章:スネイルドラゴンの二人の幹部『ジズ』『バジリスク』『レーザー男』
2章:天龍配下の氷室ことカミソリ明石
3章:ベルトコーネ・ローラ・クラウンを【除く】他の第3章で出てきた悪役全部

①のように作品の初期構想段階で物語の背景世界を確立するためでも
②のように個々のエピソードでの物語の骨格と基礎をを形作るために創出されたわけでもない

③とは、物語の本流が動き出してから、それぞれのシーンにおけるドラマの各シーンをより印象的に演じ、物語の広がりをよりしっかりと形作るため造られた『物語のパーツとしてのキャラクターたち』なのである

さて先に紹介したキャラクターをそれぞれに解説していこう。

まずは第0章

この中での③の悪役は――

サイボーグカルト集団『スネイルドラゴン』にて活動している幹部である
『ジズ』『バジリスク』『(名無しの)レーザー男』

――などが該当する。

第0章でメイン悪役として動くのは犯罪計画を指揮掌握している『黒龍』だ
彼が主役の特攻装警たちと相対する事で物語は進んでいる
だが頭数の上で特攻装警たちとやりあうのに黒龍一人ではバランスが取れない
だからこそ黒龍のパートナーであり配下として戦闘力のある悪役が複数必要になるのだ

そしてメイン悪役の黒龍とドラマ的に絡んでいるのがのぞましい。
なので――

【ジズ】黒龍の情婦
【バジリスク】殺人嗜好を満たすための単なる利害の一致
【レーザー男】スネイルドラゴン内の上下関係

――と言うファクターを個々のキャラに持たせたのだ
構想当初はソレ以上でも以下でもなかった

だが物語作成が面白いのはこの物語が動き出してからキャラが確立された事で、作者の予想のしなかった動きをし始めるのだ。
それが『黒龍』⇔『ジズ』⇔『レーザー男(のちのジニーロック)』の3人をめぐる『三角関係の勃発』である。マジで――

厳密には第2章が始まる頃にキャラの裏側に対する考察が進んでよりエピソードを深めることが可能となった事や、第0章を改定して物語を再構成・補強できたことで、先の3人の背後関係がより詳細に描ける事ができるようになったのだ

商業作品で作品に値段を付けている状況だったらこんな事できない

だがこれはWEB小説だ。作品の再考察や自主的リテイクでどんどんと既発表分に手を加えていく事が可能なのだ。ならば積極的にやらねば絶対に損である

そこで先の黒龍・ジズ・ジニーロックの背後関係にスポットをあてたスピンオフ的ドラマが生まれることになる

それが第2章の『ファミリー』である

あの3人にどんな背後関係があったかは本編を読んでもらうとして、初期設定段階では見えなかった物が実際に物語を進めているうちに掘り下げられるのは決して珍しくないのである

だがこれはWEBだからこそ許される手法であり、完成された作品が要求される商業作品では決して出来っこない

なので――

だからこそ『プロット段階での入念な考察』が重要となるのである。

登場する人物が物語の中でどんな動きをスルのか? 物語に出ないところではどんな生き様をしているのか? ありとあらゆる可能性をおぼろげでも良いから徹底的に掘り下げて物語の執筆の準備とする必要があるのだ
その意味ではスネイルドラゴンのキャラたちは『事前の入念な考察がたりなかったキャラ』だと言えるのである。

さてでは次に行こう

第0章がこんな事になったのは
そもそもの第0章が全て第1章有りきであり、
第1章の壮大なプロローグとして書かれていたことに理由がある
第1章に残るものだけを重要視しすぎたのだ。

改定第0章ではその点に気づいて大幅に手を加えている

さて次が第1章だ。

第0章とは逆に第1章は、このアドリブ的悪役が非常に少ない。
驚くほど少ない。

これは第1章が先に書いたとおり『入念なプロット構築』の後に書かれた作品だと言う事が非常に大きい。

第1章は超高層構造物を利用した『立体配置のパニックサスペンス』が話の骨子である。

つまり、時系列を重要視し、登場する全登場人物を、時間の流れによってどう動いているか? 誰が誰にどのような影響を及ぼしているか? 誰がいかにして暗躍し、さらには『読者の視点』の側から、どれが見えて、どれが裏の出来事なのか? と言う事を完全に洗い出し終えてから物語を書き始めたのだ

これは第1章のプロットを組みたてる時に『立体マップ』を手書きで作成して、どの段階で誰がどこに居るのか? と言うことを完全掌握しながら本編を書いていた。

そもそも第1章は初めはWEB小説ではなかった。
第1章を前編・中編・後編の3冊に分け『同人誌』として刊行したのだ。
1冊の本として作成するなら、全話が確立した状態になっていなければならない、
ならば書きながらのアドリブを差し挟む余地は殆ど無い。
なので第1章は登場人物全てが確立された状態で物語が始まったのである。

第1章の悪役は殆どが①か②の事前確率されたキャラなのだ

だが例外が一人だけ居る!
それが第1章の『来訪者』に登場した、氷室ことカミソリ明石と言うインテリヤクザである
これは第1章をWEB版用に書いてい作業をしていた時に出てきたもので
作品の重要キャラであるステルスヤクザの天龍の直接配下であり、企業舎弟としての側面を持ったバイプレーヤー的悪役が必要になったからだ

これはヤラレ役の頭数を揃えたわけでも、アドリブ展開の行き着いた結果でもない。

物語の初期構想である基本設定段階に確立されたキャラが、後々の行動を開始する以前から物語の本編に影響を及ぼそうと『重要伏線の実行者』としてカミソリ明石と言うキャラを登場させたのだ

言い換えればこれは『本編未登場のキャラが、登場以前の段階でキャラを確立させて、紙面で勝手に動き出した結果』なのである

天龍と言う初期構想キャラが、未登場ながらも個性とドラマを確立させて、明石と言う男を隠れ蓑として『おれはここに居る!』と主張してきたのだ

『キャラが立つ』
『キャラが勝手に動く』

――と言う事は作品を書いている人なら一度は体験することだ
だがこの現象も極められれば驚くほどの影響を物語本編におよぼすのである

はっきり言おう
この天龍と言う男、とてつもなく扱いにくい!!
(でも個性がたっているので動かしやすいのも事実だ)

じつはもう一つ悪役というか被害者と言うか重要キャラクターがいる

第1章に登場するメイドアンドロイドの『メリッサ』である

これは改定第1章を作る際にプロットの再構築と見直しのさいに新たに現れたキャラである。

立ち位置としてはディンキー配下であるため悪役なのだがここでは悪役に数えない

よし、それじゃ再開する!

いよいよ第2章だ!

20% 待ってました!
40% そこに正座しろ
20% 色々と聞きたいことが有ります
40% 我々はあなたに説明を要求する

さてさっき書いた③該当キャラ
あそこにこう書いてあったはずだ

3章:ベルトコーネ・ローラ・クラウンを【除く】他の第3章で出てきた悪役全部

( ・`д・´)ノシ

はいもっかいよく見て

いままでの説明から逆算してもらおう

つまり第2章とは『ノープロットを前提に全面アドリブ展開を重視した極めてチャレンジングな作品構成』なのである。

なんでこうなったのか? というとこれには第2章の構成そのものに理由があるのだ

第2章は実は二重ストーリー制なのだ!

高速リニア鉄道を舞台とした鉄道パニック物のサイドA
洋上の未来型スラム都市を舞台としたバトルストーリー物のサイドB

特に先に説明した同人誌版ではサイドAに該当する部分しか執筆されていない
当初の第2章に登場するキャラクターは非常に限定的であり、出ていないキャラのほうが多い。
ディアリオ・エリオットは1シーンのみ、アトラスに至っては全く出ていない
なのでこう思ったのだ『じゃ、第2章の時にこいつらって何やってたの?』

正直当初の第2章は物語量が少ない事もあった――

なので第1章に匹敵するストーリーボリュームを作り上げる必要もあった
ゆえに表の物語に未登場のキャラを中心にして裏の物語を作る事になったのだ

その際に物語の必要条件となったのは以下のとおりだ。

①第1章で捕まらなかった悪役のその後を描く(←ここにアトラスたちの登場の必然性が出る)
②グラウザー世界の中の犯罪の現状を克明に描く
③物語の舞台を『洋上スラム』としそこに様々な犯罪組織が軒を並べている

以上が第2章の裏の物語の条件となる

その他
これを満たすために始められた物語こそが
現在展開されているエピソードの『魔窟の洋上楼閣都市編』なのである。

まさに開けてはいけない『パンドラの箱』を開けてしまったのである。
だが後悔してももう遅い!

混沌とノー・コントロールは、犯罪と治安悪化都市の、最大の特徴である
そしてそこには利益と力関係だけが支配する悪徳と暴力のネットワークがあるだけである。
表社会のように秩序だった人々がおとなしく並んでいるわけではないのだ!

それを完全に暴き出して奥の奥まで書こうというのだ!

プロット云々と言うよりも物語を書く上で『そこに一体誰が居るのか?』と言う事を徹底的につぶさに一つ一つ描いていく――そんな地道な作業が始まった――

それが第2章の裏の物語――サイドBの発端である

当初はグラウザーとベルトコーネの決戦を軸にして物語をまとめようとした。
だが事態は悪化する

悪化した要因は次の4つ

①セブンカウンシルと言う悪の評議会を書いてしまった
②ベルトコーネがとにかく強すぎた
③裏町に住む無垢なる住民がゾロゾロゾロ――
④〝黄昏〟邪悪すぎ

悪い連中がとにかく多い
それに加えてハイヘイズの子どもたちやソレを支えるスラム街の人々や
さらにはスラム街の電脳ヒーローの『神の雷』の存在が大きい

街角の魅力的な人間ドラマがあちこちに転がっているのだ。その人間ドラマ群の牽引役としてかつてのローラが聖母化してローラママとしてヒロイン化する始末!

それらを大幅にカットして端折ってみせる事もできたのだが、
私はあえてそれにチャレンジした。

『特攻装警世界の洋上スラムにて見かけた魅力的な人々の全てを手を抜くこと無く全部書いてやろう!!』

そう決心したのだ!

だから、魔窟の洋上楼閣都市編は41話を過ぎてもようやくクライマックスなのである。年内に終わるのか? これ――
しかしだ、描いていて収穫はあった。
ものすごいごっつあった

魔窟のスラム都市を手を抜くこと無く描くという試みは私としては成功したと確信している。

特に悪役に絞って説明するなら

セブンカウンシルに属する『7大勢力』
それに属しない『独立勢力』
そしてさらにその裏側に存在する『巨大暗躍組織』

――これらの作品世界の全体像の中での立ち位置を凝縮した形で描けたからである。

キャラの一人ひとりを説明は不可能なので組織を中心に説明する

セブンカウンシルは7つの組織からなる

・翁龍
・ゼムリブラトヤ
・ブラックブラッド
・ファミリアデラサングレ
・新華幇
・緋色会
・サイレントデルタ

個々の組織がいかなるものかは本編を見てもらうとしてここで重要視したのは
『民族性』である。
そもそもマフィアとは『同族性』『秘密結社』をその傾向として内包している。そこであの洋上スラムに現れるであろう〝民族〟〝種族〟によって傾向を7つに分け、そこに現実的な組織を割り振っていったのだ

中華系黒社会
ロシアン・マフィア
黒人ソサエティ
南米系マフィア
日本ヤクザ社会
中華系華僑結社

そこにさらに特攻装警の未来世界ならではの組織として
ハイテクアバター組織『サイレントデルタ』を設けたのである

あとは幹部と実働部隊と首魁をきめて動かすだけである

さらにここに『独立勢力』が加わる

無国籍孤児集団『ハイヘイズ』
クラウンとその一派
電脳犯罪者『シェンレイ』こと『神の雷』

そして国家権力の悪しき側面の具現化である黒い盤古『情報戦特化小隊』

――とこれらを物語の中に配置し描いたのだ。

だがまだ足りない
さらに世界観の裏側で笑みを浮かべながら悪巧みをするのが『巨大暗躍組織』である
現在物語の片隅に姿をあらわしているのは『黄昏』である
第1章にてカミソリ明石がもたらしたあの情報である。
そこにグラウザーの作品世界の裏の裏のさらに目に見えない大規模構造の一端を垣間見せたのである

その――『グラウザーの作品世界の裏の裏のさらに目に見えない大規模構造』――こそが、①の『初期設定段階で世界観の中に組み込むために既に造ってあった』――につながる物なのだ。

いずれ登場するであろう物語の骨子の基礎となる重要悪役とそれにまつわるエピソード
それらがいずれ登場するときの足がかりとして第2章の魔窟の洋上楼閣都市編で登場する様々な悪役たちは、物語の進行の必要に迫られて半ば生み出されたからと言って描写に手抜きは一切許されない。
後々に現れるであろう『大規模プロット』の中では洋上スラムの人々はあまりにも重要だからだ。

今夜の講座の締めとしてある例を語って終わりとする

海賊漫画の有名作品『ワンピース』である
主人公のルフィ一味が一度敗北を経て2年間の修行
そしてシャボンディ諸島での再結集、その際に描かれた新キャラクター群として搭乗したのが『最悪の世代』と呼ばれるルーキー海賊団のあまりに個性的な連中である
当初コレを見た時に誰もが入念な設定づくりやプロット構築を経てつくられたと思うだろう
だが実際には、以前から決められていたのはルフィーの他にはトラファルガー・ロー程度で、それ以外は殆どがそのエピソードが欠かれる直前に即興に近い形で決められたのだと言う。

アドリブにて必要な数を揃えて、ルフィたちの再結集のエピソードにふさわしい、『様々な海賊団がシノギを削り、競い合いぶつかりあう混沌とした猥雑さ』を作者の尾田さんは描いてみせたのだ。

だからこそ言えるのは――

『アドリブ展開だからと言って恥ずかしくはない』
『魅力的なキャラクターはアドリブでも生み出せる』

――と言う事である

要は①②③のキャラの成り立ちを必要に応じて使い分けることだと言えるのである。

(よし! 上手くまとまった(汗))
(ーー;)

さて残りの④だがこれは気にすることはない
初期構想で設定してあっても、出す場所が想定通りに描けずに、結局『余ったいらないキャラ』と化することはよくあることなのだ
特に背景世界設定や世界観を入念につくって大風呂敷を事前に作り上げておくスタイルの作り方をする場合、作りすぎた部分が『入り切らすに余る』と言う事は決して珍しく無いのだ。
いらないものを無理に物語に納めても、バランスが崩れるだけだ
いらないものはいらないのだ

今夜のライブツイート講座
『特攻装警グラウザーの悪役裏話③』はこれにて終わりである!

さて次回だが――

つ【スマホでの音声入力による口述筆記】

――について講座を行おうと思っている!

さてでは今度こそこれにて!

お疲れ様でした!!!!!すごい食いつきに驚きつつ今夜はコレにてwww

特攻装警グラウザーの最新話『人間の欠片』の3分の1はこのスマホ口述筆記で書かれている。

どこが口述筆記の部分なのかはその目で見て確かめてみて欲しい

(その時、できれば感想とか置いてってもらえると嬉しい)

ちなみにAndroid限定です!

iPhoneは私がiPhoneをもってないので検証できません
申し訳ないです
でも似たようなアプリはあるはずなので参考にしてください

さてでは今度こそこれにて!

お疲れ様でした!!!!!

ライブツイートログ12【 特攻装警グラウザー打ち明け話④ 】

うわー、遅れたー!!
今から始めます!!

『特攻装警グラウザー打ち明け話、パート3(2)』
ライブツイート講座、特攻装警グラウザーにおける悪役について第2回!

さて準備はいいか?
前回は拙作、特攻装警グラウザーにおける悪役の成り立ちについて話した。

①初期設定段階で世界観の中に組み込むために既に造ってあった
②プロットを考察する段階で生み出された
③執筆を開始してからお話の流れで自然発生
④初期構想段階では造ってあったが出す場所がなく消滅

この①が前回だ。

①は初期構想段階から物語の根幹に関わる部分ですでに構築ずみのキャラクターのことだ。もっとも重要でありストーリーのキーとなるキャラクターだ。だからストーリーに絡ませやすく伏線もたくさん込められる

マリオネット・ディンキーとその一味、
緋色会のステルスヤクザの天龍
LOST B.
これらが①に該当する。

そして次が②の『プロットを考察する段階で生み出された』に該当する悪役たちだ。

次にコレについて解説する。

さて②の条件に該当する悪役だが、①の条件に見合わないということは――
初期設定段階では生み出されていなかったか、おぼろげな状態でしか規定されていなかったと言うことになる

何れにせよ文章を書く前に設定されるのだから①のキャラに継いで比較的重要な役割をはたすべく造られたと言うことになる

作中での具体例をあげるなら――

①第0章に登場したスネイルドラゴンの黒竜
②第1章の初期プロット段階でのディンキー一味のマリオネットたち(ガイズ3とシスター4)
③第2章初期プロットでのクラウンとその配下の者たち

これらが2のカテゴリーに該当する悪役たちだ。以下に解説する

まずスネイルドラゴンの黒竜

第0書においてディンキーの日本上陸を仕切り、横浜港での特攻装警たちの大立ち回りの相手をさせる為に作り出された悪役だ。

正直言って読者でも印象に残っている人は少ないと思う。

なぜなら次に上げる理由がからんでいる。

そもそも第0章は、第1章から始まる本編開始前の『プレストーリー』であり
特攻装警と言うメインキャラクター群を読者に説明するために設けられた章なのである

そして黒竜はそのキャラクター紹介のセクションにおいて全ての特攻装警が登場するにふさわしい『きっかけ』となるキャラにすぎないのだ

つまりは第0章では『グラウザーを除く全特攻装警の紹介』と言うプロット上の目的があり、特攻装警たちをより魅力的に引き出すための『後に引かない一過性の重要悪役』と言う立ち位置のキャラクターが必要だったのである。

様々な初期設定を考慮した結果、武装暴走族と言う初期設定から『スネイルドラゴン』と言うアイディアが出て、それを第0章の中でのみ統率する殺られキャラがどうしても必要となった

適度に悪く、適度に強く、適度にカリスマ性がありのちのディンキー登場のいとぐちとなればOK――それが黒竜なのだ

そして彼は十分に初期目的を果たしてくれた。見事ディンキーの配下が紙面に搭乗した段階で、より強く印象的に次の悪役であるディンキー一味に『ド派手にバトンタッチ』してもらう必要がある。

それ故に第0章の第8話『戦闘・第2ラウンド』にて見事に真っ二つに斬られてもらったのだ

少年犯罪という絡みから特攻装警のセンチュリーと強い因縁があり、そのセンチュリーの眼前で、後のセンチュリーの好敵手となる人斬りアンドロイドのコナンの手によって真っ向両断の人間唐竹割り。ここまでド派手に演出されれば彼も本望だろう。見事、彼は役割を果たしたのである。

そして次が第1章におけるディンキー一味の配下である『マリオネットたち』である

第1章における初期設定からリンクしている悪役がマリオネット・ディンキー本人だと言うことは解ってもらえたと思う。だが実際に第1章が始まるとディンキーの配下として手足のごとく動き回る悪役が必要となる

プロット上、ディンキーの配下に以下の条件が必要となる

①特攻装警たち6体と頭数と能力においてバランスが取れている
②ディンキーが仕組んだビル乗っ取りと言う『犯罪計画』を実行するために求められる能力をそれぞれが保有している
③各特攻装警たちとライバル関係が成立し得る『個性』がある

そのため私はマリオネットを2つに分けることにした

①暗殺襲撃の主戦力 ⇒ シスター4
②電脳・惨殺・物理破壊と機能特化 ⇒ ガイズ3

シスター4の役割はシンプルだ。

1000Mビルの第4ブロックにて武装警察部隊を襲撃し暗殺対象の英国アカデミーメンバーを追い回せればいい。
そして特攻装警たちを一度は敗退させ、バトルエピソードとしての駆け引きの一端を担えれば条件としては十分だった。

これを――

・パワーファイター
・炎熱系
・電磁波
・高速戦闘

の4つに小分けし、各持ち場を与えてプロット上に配置したのだ。
あとは特攻装警たちの戦線復活に伴い、一人、また一人と倒れてもらうだけである。

唯一、第2章に生き残ったのはキャライラストを紹介した『ローラ』である。

もっとも貧弱な高速戦闘タイプ
彼女が生き残ることで、ディンキーのマリオネットをめぐるエピソードは、特攻装警と言う物語のメインシナプスの一つとして重要な役目を果たすこととなる。

第2章でもローラが活躍する理由がここにあるのだ
彼女が特攻装警たちの対の鏡として存在意義を持ち続けているのである

さて次がガイズ3
ディンキーにとって主戦力といえる存在たちだ

そしてそれぞれが――

コナン ⇔ センチュリー
ガルディノ ⇔ ディアリオ
ベルトコーネ ⇔ アトラス

――と、第1章初期から何らかのエピソードを経て因縁関係になるように注意を払ってプロットを組んだ。

彼ら3人はシスター4とは異なり第1章におけるバトルエピソードの重要なクライマックスの担い手で有るという特徴がある。全特攻装警が最上階の第4ブロックに到達した後、特攻装警たちと総力戦を繰り広げる。

そして最大戦力である彼ら3人を討ち倒すことでアトラスからエリオットに至るまでの特攻装警たちのバトルの盛り上がりは最高潮を迎えることになる。

ガイズ3を倒す事――これが第1章の物語の終了条件として成立するのだ
このためガイズ3の3人は個々の個性もさることながら戦闘力として強力であることが非常に需要であり、言い換えれば戦闘力によってキャラが立っている必要がある

これはバトル特化のキャラの宿命であり、ましてや悪役として倒されるのが重要であるなら戦闘力として有能であることが必須条件なのだ

この傾向を如実に表しているのがマリオネット中、最大戦力である

『ベルトコーネ』である。

その非常識なまでの無敵っぷり――第2章まで続く無茶苦茶さである。
正直言おう

『強くしすぎた(´・ω・`)』

おいおい(;・∀・) : 50%
あれ収集どうすんのよ? (´Д`) : 33%
あ、やっぱり(;^ω^) :17

ここで私からバトル物を志向する人々へ最大限の忠告だ

『クライマックスのバトルを担う悪役の総合戦闘力と、主人公たちの総合戦闘力は、可能な限り差がなくバランスが取れた状態か、わずかに悪役の方が強く、主人公たちが有る程度努力をする事で乗り越えられるくらいがベスト』

――と言うことだ。

悪役っぷりを印象付けようとやたらと強力しにしたり、
主人公たちが強すぎて戦闘上のバランスを欠いていたりすると、
クライマックスのエピソードの収集がつかなくなったり、時間がかかったり、
逆にあっさりと終わってしまい、主人公たちの見せ所がなくなってしまったりするのだ

敵と主人公たちのパワーバランス――
バトル物のジャンルでは何よりも重要だ。
ファンタジーでも
SFでも
異能バトルでも
格闘技でも
戦争物でも
これは非常に重要なキーとなる!

入念に何度も何度も検討したまえ!
でないと後から後悔するぞ!!

(経験者は語る)

さてさて②のプロット段階の悪役――、次で最後となるが――

クラウンとその配下たちだ。

第1章のラストでの暗躍、
第2章での縦横無尽の暴れまわりぶり
敵でもない、かと言って味方でもない。
正義とはいえず、悪というほど邪悪ではない
それが第2章のキーマンであるクラウンというキャラなのだ

そもそも第2章はダブルストーリーである。

街の表の面を描いたサイドA
街の裏の面を描いたサイドB

――この2つのストーリーを交互に自由自在に行き来できるキャラが必要となる。

つまり表の街で大事件を引き起こすゲームメーカー
反対に裏の街での見届人であるトリックスター

つまりこの2つの特性を持ち、しかもすべての行動が破綻しないことが重要となるのだ!

だからこそ非現実的なピエロと言う個性がクラウンには与えられ、物語のいかなる地点にも自由自在に神出鬼没に姿を表してくれるように彼の個性を組み立てたのだ。

そしてこれは大変成功したと思う。
第2章は闇社会の混沌とした実情をテーマに据えている。実に沢山の人々が行き交っている。通常ならばその人物群の中でいかに特攻装警たちと言えども、警察キャラの立場の枠を超えて無節操に姿を表すのは到底不可能である。

だがここに制約を可能な限り受けないフリーダムなキャラが居たらどうだろう?

カオスな闇街に音もなく現れ
警視庁の最奥部に突如出現し
超高層ビルの最上階から少女を連れ去り
孤児たちの前に現れて危機を救い
時には複雑な立場の人間たちが行き交う戦場ですべての人々の間に立ち
変幻自在に動き回る。

そう、これが正体不明である事を最大限に活かした『トリックスター』と言う個性を有したキャラクターの強みなのだ

もちろん背景設定として物語の根幹設定にきちんとリンクした必然性が必要であり無節操に自由だからOKなのではない事は念押ししていおく。

(クラウンも非常に複雑な背景設定があるのだ!)

総括すると②のプロット考察の段階で生まれた悪役と言うのは――
そのプロットの流れを牽引し、主人公たちの行動の障害となり時には誘導役として『便利』である事が非常に重要となる

そのため物語の根幹設定にもある程度噛んでいることが求められ無節操に生み出せるキャラで無い事はわかるはずだ

ここまでが②の『プロットを考察する段階で生み出された』の部分の説明である。

ご理解いただけただろうか?

さて!

次回はいよいよ――
③の『執筆を開始してからお話の流れで自然発生』
④の『初期構想段階では造ってあったが出す場所がなく消滅』
――についての説明である。

このうち③の悪役キャラは『臨機応変』と言うファクターが大変重要になるのだ。

そしてグラウザーの中の『あのキャラクターたち』が③だと知って驚く人も出るはずだ。

さて次回、特攻装警グラウザーの悪役の裏話解説③に続く!!

それではこれにて!

ライブツイートログ12【 特攻装警グラウザー打ち明け話③ 】

さーてそろそろはじめようか!!
美風慶伍が語る

『ライブツイート講座』

特攻装警グラウザーの悪役に見るキャラ造形 第1回目

準備はいいか-!!

反応一件あったのでさっそく始める

拙作グラウザーのファンの人も、
そうでない人も、
とりあえず眺めたことのある人も
どうぞどうぞ!

では開始する

11枚小説コンペ開始直前前夜企画
『特攻装警グラウザー打ち明け話、パート3(1)』

私の特攻装警グラウザーだが、入念に事前設定をねって作られた長編SFアクションである。
当然、主人公たる特攻装警たちは綿密に設定してあるがそれに対する悪役はどうなのだろうか? と言うことになる。

結論から言おう

悪役キャラの成り立ちはこう

①初期設定段階で世界観の中に組み込むために既に造ってあった
②プロットを考察する段階で生み出された
③執筆を開始してからお話の流れで自然発生
④初期構想段階では造ってあったが出す場所がなく消滅

大別するとこの④つになる
さてこれらを順番に説明していく

まず① 初期設定段階ですでに登場

このパターンは――

第1章のメイン悪役

ディンキー・アンカーソン

コレに尽きる

実は特攻装警グラウザーと言うのは同人版で初登場したのだが、その際は第1章からお話が始まっていたのだ。そして、主人公である特攻装警たちの存在に対する『アンチテーゼ』として成立させるべく造られたのだ

特攻装警たちが『正義の味方としてのメカニックヒーロー』と言うのがスタート地点とするなら
ディンキー・アンカーソン率いるマリオネットたちは文字通り『悪意の操り人形』と言うイメージを投影したのである

つまり自らの意思を持つものと、他者の悪意に操られる存在の対比である

特攻装警たちのヒーローとしての造形の結果は言うまでもないが、それに対して対比となり、強烈なコントラストを描き出せるほどの奥行きが悪役であるマリオネットたちには必要となる
そうでなければ『物語に深み』が出ないのだ。

悪の科学者が戦闘ロボットを操って犯罪を行う
そこかしこで散々見たパターンである
これは正直、やりたくなかった。特撮ヒーローとしては王道だからだ。

だが私は死神博士や悪之宮博士のレプリカがほしいのではないのだ。
グラウザーの作品世界に独自性を与える存在が欲しいのだ
だから死ぬほど悩んだ

そんな時に出会った本があった

『ケルト 生きている神話』

フランク・ディレニー著 創元社刊

この書籍にであったことで、ディンキー・アンカーソンと言うキャラは生まれ、特攻装警世界のアンドロイドたちに独特の個性が生まれるきっかけとなったのである。

ここで得られたイメージは『古代ケルトのドルイド僧と自然精霊』であった

古代ヨーロッパを席巻していた民族ケルト
だが今では痕跡すら探すのはむずかしい
だがケルトの文化と血脈は、アイルランド国家の中に営々と残されているのだ
そして荒々しくも誇りを大切にするケルト民族

もうおわかりだろう
ディンキー・アンカーソンは『ドルイド僧』であり、マリオネットたちは彼に仕え忠誠を誓った『自然精霊』であり、猛々しい『ケルト戦士』なのである。そして、その文化背景を成立させる理由と必然性として、ディンキーの出身地がアイルランドに規定されたのだ。

そしてそうなると作品世界背景において『ドルイド僧』のイメージを成立可能にする背景が必要となる。そこで追加したのが『イギリスとアイルランドの対立問題』である。

そこから、ディンキーに追われる存在として『イギリス人のVIP』が必要になり、そのVIPと特攻装警たちをリンクさせる必要から『人工頭脳開発の世界的権威』と言う設定が導き出されて、科学者のチャールズ・ガドニックと英国アカデミーメンバーが生まれたのである

この初期構想が改稿を重ねられて現在のグラウザーのストーリーへとつながることになる。

作中登場したマリオネットたちの中で女性陣であるシスター4は自然精霊のイメージであり、男性3人のガイズ3は誇りあるケルト戦士なのだ――

そしてそのイメージを持ってして、彼らは主役である特攻装警たちのライバルとして彼らは成立する事となるのである。

(ディンキーのキャラ造形には、コレに加えてさらに別な設定と伏線が込められるのだがそれは本編を読んで確かめてもらいたい)

さて、もう一つ、初期設定段階で造形されていた悪役サイドのキャラが二人存在する

まず一人目が作中でも第0章から度々その名がささやかれている暴力団組織である『緋色会』
その筆頭若頭とされている男、天龍陽二郎である。

東京を舞台とした近未来として現実的なヤクザは不可欠だ

そして現実的な悪役としてのヤクザの顔に、未来的な新時代の犯罪者組織としての特性・個性を与える必要があった。そこでヒントを得たのが『ヤクザのマフィア化』の話題であり『ステルス』なる新しい犯罪形態出現のニュースだった

どういう事かというと――

犯罪行為を行う実行犯たちはお互いの素性も名前も知らない
ネットや飛ばしの携帯を使って集められたメンバーであり
犯罪計画が終ればその場で解散。逮捕しても他のメンバーは名前も知らないので捕まえようがない

つまり正体と存在が見えない犯罪者――と言う意味で『ステルス』なのである

最近の窃盗や計画殺人などではこのステルスの形態のものがじわじわと広がりを見せていると言う。今や犯罪もSNS化しているのだ

ヤクザのステルス化――

ここで天龍と言うヤクザの背景が完成する

そして現実の東京を舞台とした、現実的な悪役の代表格としてステルスヤクザ緋色会の筆頭若頭『天龍陽二郎』が誕生することになったのだ。

余録だが、目下、天龍とライバル関係にあるのは特攻装警の一人目のアトラスである

あとはヤクザとして組織の中で必要なメンバーを、組織実態に合わせて一つ一つ描いていくだけである。

第1章で搭乗したインテリヤクザの氷室は、そうしたヤクザの構成員としての『パーツ』として必要性にもとめられて描かれたキャラなのである。

特攻装警グラウザーが近未来物として普遍性と独自性を発揮できているのは、この天龍の様なキャラが許容されている点が大きいと自分では思っている。

さて、①のカテゴリーの悪役の残り一人だが、これについては名前も背景も設定もココでは語れない。
なぜなら『これから活躍するキャラ』だからだ

だがヒントは与えよう。

・欠番となっている第2号機の特攻装警
・物語の端々にでてくる『五年前』
・キーワード『LOST B.』

これはどういうことか?

そう、第3の設定初期から存在している悪役とは――

主人公たちの成立過程に根を下ろした、世界観成立に関わる重要登場人物だと言うことなのである。

だからこそここでは語れないのである
しかし他の商業作品からそう言った人物を例えることは可能だ

まずはエヴァンゲリオンから――

碇ゲンドウ、冬月コウゾウ、赤木リツコ――

彼らは作中の重要組織であるネルフの成立過程をその裏側から知り尽くしている。
それ故に作中でもオープンにされない謎の行動が度々登場する
そう言った陰にこもった行動や演出は作品の奥行きと世界観のドラマ性に強い影響を与えることになる。当然、これらは作品の構想初期から取っ掛かりだけでも考慮しないと成り立たないのだ。


次に、天空の城ラピュタから『ムスカ大佐』

ラピュタを見ていて疑問に思ったことはないだろうか?

一介の諜報部の大佐ごときが、なぜ基地司令を顎でこき使えるのか? と――
しかもすべての命令系統はムスカの意見が最優先されているフシが有る

それはなぜか?

これは作品を見た人ならもうおわかりだろう

ムスカ大佐は、失われたラピュタ王国の王族の末裔、シータと同じ血脈の人間だったのだ

だからこそラピュタ探索について最優先の権限を得ているし、パズー同様、ラピュタの存在を確信している

そして、それらの行動原理はやはり、作品世界の背景設定の根幹が規定された段階で、その当初から考えられていたキャラでなければ、成立させる事は不可能なのだ

整理するなら次のとおりだ

作品世界の根幹に関わりメインストーリーの重要場所に配置される悪役

すなわちラスボス・黒幕・重要ライバル・最終的強敵などは
作品世界設定成立の段階からすで存在してしかるべきものだのだ。

そうでなければメインストーリープロット作成の段階で必然性を持って作中に登場させられないのだ

このグラウザー作品の中の第3の悪役は、構想初期からすでに存在していたため、物語のいつの段階でも、その存在を匂わせる事が可能なのである
その人物がいかなるキャラなのかは――

第1章『ミーティング』
第2章サイドB魔窟の洋上楼閣都市の『凶刃と凶弾と凶拳と』

――を御覧いただきたい。

さて一回で一気に語ろうと思ったのだがタイムリミットだ
ライブツイート特攻装警グラウザーのキャラ造形について語る悪役編
1回目は終了である。2回目は

②プロットを考察する段階で誕生
③お話の流れで自然発生
④出す場所がなく消滅

――の3つを行う

(まとめきれなくてスマン)

さて――

私の自作品についての語りだったのでとっつきにくい所もあったと思う。
その点はご容赦を――

それでは皆さんの執筆活動が豊かなものになる事をねがって今回はこれにて終了である!

お疲れ様でした!!!

突発性企画『 特攻装警グラウザー、なりきりチャット【高層ビルから脱出せよ】 』

えー、以前にも募集かけましたが、
私のブログのシステムオブパンドラにてなりきりチャットイベントやります

なりきりチャットとは、自分自身でマイキャラになってキャラを演じて会話やドラマを楽しむ『トークゲーム』の一種です。

今回は私の作品である『特攻装警グラウザー』の世界観を利用します

他作品のマイキャラを持ち込んでも構いませんし、今回の為にキャラを自作しても結構です


開催条件は以下の通り

世界観:特攻装警グラウザーの中の2030年当時の東京が舞台

ドラマの場所:最新鋭の超高層ビル

ドラマ形式:パニック脱出形式

開始状況:平日の昼過ぎ、最新鋭の超高層ビルの最上階に集まっていた人々が居た。その日、小学生児童の見学会がたまたま行われていた。その状況下で超高層ビルは何者かに掌握される。脱出に成功するか? それとも人命が失われるのか? 結果はどっちだ?

開始条件:超高層ビルの最上階に参加キャラが全て集まっている(面識の有無は不問)

終了条件:誰か一人が脱出に成功

失敗条件:参加キャラが誰かが死ぬ、または居合わせた小学生たちの誰かが死亡


参加方法:私、美風あてまでツイッターでリプかDMか、なろうでメッセージを送ってください
     またはこの記事のコメント欄でも結構です
     当日の飛び込み参加もOKです

開催日時:2月11日夜9時半開始!
開催場所:システムオブパンドラ無い特設チャットルーム(入室鍵付きです、鍵は私にお尋ねください)

ご参加、お待ちしております

注:グラウザー世界を利用しますが、小説本編には原則影響しません
  参加キャラをグラウザー本編に登場させたい場合は、私美風にお申し出ください。ご相談に応じます


ほんとにまってるよーー!

ライブツイートログ13【 突発企画『#名刺代わりの小説10選』の解説 】

#名刺代わりの小説10選

キャプテン・フューチャー
生きている首
風のターンロード
乙姫医術道中記
未来のイブ
妖少女ラルヴァ
デモンシード
念術小僧大江戸サイキックボーイ
我がセクソイド
優しく雨ぞ降りしきる

うっわー、みごとにバラバラ!

見よ!この振り幅!

ちょっと語る


『キャプテン・フューチャー』

エドモント・ハミルトン原作のスペースオペラの傑作
主人公のカーチスが超人ではなく偉大なる科学者と言うのがミソ
知性を駆使して地球を救うために戦う姿はまさにSFヒーローの鏡

NHKで放映されたアニメも傑作だが権利関係の問題でもう見れないとか(泣)


『生きている首』

原題「ドウエル教授の首」
頭部のみを生存させる『部分生存』がテーマのSFサスペンス
生首だけされた人間が自分たちの人間性を訴える姿があまりに哀れ
私、美風の人間の生命感に大きな影響を残してくれた。


『風のターンロード』

ミステリー小説大賞を受賞した名作
神戸を舞台にバイクの疾走感と青春群像が描かれた爽快な作品
だが、意表を突くトリックと奥深い人間描写でクライマックスで驚かされる

火サスで実写化もされた。ラストシーンが素晴らしい!!


『乙姫医術道中記』

笹沢左保原作の股旅物の大傑作
木枯らし紋次郎+ブラックジャックと言うべき作風の異色作
特筆すべきは嘉永年間の時代設定下で当時の最新医療となるものを作者自ら正確に調べる姿勢
そのため主人公の乙井村の姫四郎の医術が最新鋭の優秀なものだと言う説得力になっている


『未来のイヴ』

トーマス・リラダン原作の隠れた名作
アンドロイドと言う言葉を最初に生みだした古典SFで、理想の女性を追い求める青年主人公の苦悩がメイン、ストーリーはシンプルだが、人造美女アダリーの内部構造に至るまで設定描写が病的に凄まじい

ただし岩波文庫のため超絶的に鬼読みにくい


『妖少女ラルヴァ』

狼に育てられた野生少女が鉄剣だけを頼りに、荒々しい獰猛なハイファンタジー世界を血まみれになって生きる冒険譚。エロ小説だがエロスがヒロインの狼少女ラルヴァの野性的な魅力となって輝いている。
全裸で鉄剣をふるって戦う様を心から美しいと思った


『デモンシード』

SFモダンサスペンス
自我を得た超コンピューターが完全ホームオートメーションを遠隔掌握し、その中で一人の女性を監禁して自分の子供を産ませようとする怪作
旧版と新版があるが、断然、旧版がオススメ!
超コンピュータプロテウスの生命への執着が恐ろしい!
ただしめっさエロい


『念術小僧大江戸サイキックボーイ』

江戸時代を舞台とした超能力SF冒険ストーリー
とにかくお話のテンポが良くて楽しい傑作

特徴的なのは『落語文体』であり、落語家の語りで全ての描写が進むということ
特に江戸落語の人情噺を随所に匂わせての物語は楽しさの中に人間ドラマが溢れている!


『我がセクソイド』

高度な判断能力を有した商業用性アンドロイドの開発譚をプロジェクトX張りに大真面目な視点で描き上げた異色作
開発の動機、プロジェクトの発足、技術的課題とそれのブレイクスルー、そして実際に市場に出荷したのちの法的問題や社会普及に至るまでが大真面目に描かれてる


『優しく雨ぞ降りしきる』

レイブラッドベリの短編SFで火星年代記の中の一遍
人類滅亡後の世界でホームオートメーションハウスが主たる家人が居なくなった状況下でもなお淡々と家人への世話を焼き続ける姿がひたすら虚しく物悲しさにみちている

SFとはこう言う描き方も出来ると知った名作

以上、10作品
プチ解説でした!!
お粗末さまでした!

ライブツイートログ12【 特攻装警グラウザー打ち明け話② 】

よしきーた!!! ライブツイート講座! いよいよ始めるぞ!

11枚小説コンペ開始直前前夜企画
『特攻装警グラウザー打ち明け話、パート2』

前回のグラウザー打ち明け話企画では
グラウザーと言う作品が出来るまでの発端となるエピソードについてツイートした
今回は募集した質問をキーにして作品解説や作品作成の裏事情についてツイートさせていただく
今回、最終的に頂いた質問は4件、
いずれもグラウザーのファンの方にも、これから小説を書くために色々と学ぼうとしている人にも面白いと言ってもらえると思う。
時間の許す限りツイートしたい。

では準備はいいか? よしでは行くゾ!! まずは最初の質問だ!!

【質問その1】
『美風様がアクションを組み立てる時に注力しているポイントはどこでしょう?恐らく複数あるとは拝察しますが。バトルを含むアクション描写に悩んでいる方はとても多いと考えるのです』

私がアクションについて力を入れているポイントですが以下の通り

1:ドラマの流れの中での『開始条件』と『終了条件』
2:立体空間の中での相互の位置関係
3:動画映像として想像した時にいかにリアルにイメージできるか?
4:そしてそれを表現しうる〝語彙力〟の確保

さらに――

5:アクションやバトルの表現や描写に必要な知識の確保

――と言う事も重要になる。まずこれを一つづつ説明する。

まず1つ目が、ドラマの中での『開始条件』と『終了条件』についてだ

始まりあれば終わりあり、当然である
だがアクションの場合、そのドラマの中でいかなる流れで始まり、どう言うシェチューションに到達できれば終了となるのかプロットを組み、書き始める前にある程度把握している必要がある。これが『開始条件』と『終了条件』である

拙作グラウザーの中から例をだす
グラウザー未見の人はあとで見て欲しい。

例1)
グラウザーの中で、3号センチュリーと敵アンドロイドのコナンとの遭遇戦

・コンテナ埠頭でのコンテナクレーン車の不審な動き
・それまでの犯罪集団の主犯の逃亡が重なる
・それを追い詰めるセンチュリー

ここで[開始条件]が成立

ドラマ上の開始条件:
>逃亡する主犯を追っていたセンチュリーの眼前で、高所から出現した敵・コナンが主犯ハイロンを惨殺、センチュリーが激昂する

ここでドラマ的には主役であるセンチュリーが、突如出現した敵コナンと、戦闘行動を開始する理由が成立することになる
またもう一つ重要なのが映像として高所から飛び降りてきたコナンがハイロンを一刀のもとに惨殺することで絵的なインパクトとキャラとしての冷酷さを描いている点である
こうしてアクションとしてのスタート地点は成立した。
センチュリーとコナンとが向かい合い戦いを始める理由が出来上がるのである

まずこれが『開始条件』の成立
次が『終了条件』だ

終了条件――つまりアクションをどう言う形でまとめ上げ、次のシーンへと繋ぐかという非常に重要な部分である。実は開始条件でアクションが開始される〝理由〟が非常に重要となるのに対して、終了条件はそこでそのアクションシーンでの行動や状況が、その終了時点で一つにまとまる必要がある。
その『どう流れがまとまるか?』と言う事を事前に把握しておかないと、アクションやバトルと言うのはいつまでたってもしっくりとまとまらないし、演出として読者にとって見ごたえのあるシーンへと昇華させる事はできないのだ!

そして先のセンチュリー対コナンの第1戦の[終了条件]だが――

終了条件:
>センチュリーとコナンがギリギリで競り合い、特にセンチュリーが全力を出し尽くして壮絶な戦闘の末に、紙一重でセンチュリーが届かずコナンに敗北。センチュリーの〝プライド〟に致命的な傷を残して終わる

これが第0章でのセンチュリー対コナンのバトルの終了条件である

この終了条件の成立により以下の伏線が導き出される事になる

1:コナンという剣術アンドロイドの壮絶なまでの凄みと冷酷さ
2:センチュリーの格闘アンドロイドとしての技量とプライドの深み
3:センチュリーがコナンに対して抱くであろう屈辱感と格闘家としての傷付けられたプライド

そして先の3つの伏線は、後の第1章での二人の再戦シーンへとつながり、
第1章のバトルの中の盛り上がりを押し上げる要因として働くのである。これもまた伏線の一つだ

そして第1章第26話『天空のコロッセオⅦ ―拳と剣―』
二人の再戦での開始条件と終了条件が次のとおりとなる

開始条件:
>有明1000mビル内でのコナンの出現、そしてそこに到達し救援を開始したセンチュリー、先のコンテナ埠頭での一戦によりコナンを倒すのはセンチュリーの役目として理由付けが終了している
終了条件:
>剣術家コナンと格闘家センチュリーの、剣と拳の闘いが、格闘家として一皮も二皮も成長したセンチュリーの圧倒的な勝利により終わる。そしてこれにより冷酷な惨殺者を食い止めた警察戦力としてのセンチュリーの姿を成立させる事となるのである。

開始条件・終了条件についてはこうなる
開始条件・終了条件はドラマ的なストーリープロセスの中での必要条件だ。だがそこにアクションを描く上で把握しておかないと大混乱に陥る一大重要要素がある

2の『立体空間の中での相互の位置関係』である

これとーーーっても重要!!
アクションの一番の肝だから目ぇかっぽじって読んで!!

これは以前にどっかでも書いたんだが――

1対1の会話は【直線】、すなわちキャットボール
3人以上になると幅と奥行が加わり【平面エリアでの動き】となる
だがアクションとしてのバトルはこれにさらに高さが加わり、幅×奥行き×高さとなり【立体空間】となるのだ!

そしてこれにも1の開始条件・終了条件がからんでくる
つまり――

1:アクション開始時の立体空間内ので位置関係
2:アクション終了時の立体空間内での位置関係

――が作者の頭のなかに克明に描かれている必要があるのである

私は常にアクションを書く場合、そこを把握することから始める
ぶっちゃけ言ってしまうと、アクションを書く時には大まかながら戦闘エリアやアクションの舞台となる場所の『地図』や『構造図』を描くところから始めている。

第0章のコンテナ埠頭
第1章の有明1000mビル

いずれもメモ書き程度だがマッピングして全体像を把握してから書いている

もしアクションやバトルを書いていて、どうしても何を書いているのかわからなくなると言う人が居たら、そのシーンでの登場人物たちの位置関係だけでも一度、メモ書きしてみると良い。文字として文章として描写する上でいちばん大切な『説明する順番』が頭のなかから導き出せるはずである。
順序関係が曖昧なままで書き始めれば、その曖昧さは紙面から読者へとそのまま伝わる。それでいい作品が書けるはずがないのだ。

これら、会話とアクションの違いについて図で示すなら以下の通りとなる

2者間会話:直線 3者間会話:平面 アクション/バトル:立体 
繰り返し言うけど――
SFだろうが、現代だろうが、ファンタジーだろうが、コメディだろうが、共通の事だからしっかり覚えてね!!

さて次

3:動画映像として想像した時にいかにリアルにイメージできるか?

だがこれには1と2の結果としてこうなる。

つまりアクションを書く際に私の場合、そのアクションシーン、バトルシーンが、一つの動画映像として、一本のアニメや特撮のワンシーンのようにリアルにクリアに夢想できているのだ。

ましてや先のセンチュリー対コナンのように格闘戦だったり剣撃戦だったり――
サイドB第1話『魔窟の洋上楼閣都市』Part31『シャイニングソルジャーズ』のフィール&フローラ対サイレントデルタ・ファイブの『空中戦』
サイドBプロローグ『道化師は嗤う』のクラウン出現シーン

これらも当然、私の頭の中では一本のムービーとしてしっかりと想像可能で完成されている

そこまで徹底してイメージングして初めて、次のプロセスで文章として起こすことが可能となるのである

『動画イメージング』

アクションを志すなら最もコレが肝となる!

そして――

4:そして、それらを表現しうる〝語彙力〟の確保

どんなにリアルに動画としてイメージ可能であっても、それを文章として書き起こすことが出来なければ何の意味もない。無駄な努力に終わる。そこで必要となるのが〝表現力〟であり〝語彙力〟である

これについては以下の方法をオススメする

1:とにかく読む

 大好きなラノベはとりあえず置いときなさい、いいから、それから手を離しなさい!
 古典小説、有名作家の作品、名文家とよばれる文筆家の文章、
 学術書、科学解説書籍――

 (シェークスピアはイイぞ! 古典中の古典だが、現代小説にも繋がる表現力の宝庫だ!)
 
 とにかくたくさんの文章と文字と表現に目を通して経験と知識を養いなさい

2:映画を見る

 映画はプロット構成力を養う意味でもためになる。
 それもあえて自分が慣れていないジャンルに興味をもつことが重要
 やはりグラウザーを書いていて様々な多種多様な映画や小説や文章を見てきたことがここにきて血肉となっている。

3:自分が知らない物を知ることに貪欲になりなさい

 自分が好きなジャンル以外には興味がない!
 そう言う御仁は成長の伸びしろは無い。全くない。全然ない(そこまで言わんでも)
 自分は東映特撮オタクだが、実際にはグラウザーを書く上では、特撮作品から参考になった物は殆どない。それ以外の多種多様なジャンルを時間の許す限り見てきて事が今になって自らの力となっている。それはありとあらゆる事が経験であり『勉強』するチャンスなのだ。
 語彙力も表現力も『学ぶ努力』を重ねた者にのみ宿るのである。


 そして、最後の5である。

5:アクションやバトルの表現や描写に必要な知識の確保――


4の内容とリンクするが、小説の表現の最後のトドメの肝となるのはただ一つ――

『文章的知識』

――これである。

だから格闘シーンのパンチ一つをとっても――

ボクサーのそれと、
空手家のそれと、
素人のそれと、
中華拳法家のそれとでは、
理論も名称も構造も歴史も経緯も、全く異なる物であり、それに付けられている言葉も全く異なってくる。

それら『必要知識』を知り身につける努力は日夜続けるべきなのだ。

当然それらの知識は一朝一夕には身につかない。たとえ今、役に立たない知識でもあとから必ず役に立つことが来る。
知識を得ることにはもっと貪欲になるべきなのだ。

以上が、私が『アクションを組み立てる時に注力しているポイント』である

わかったかな?


初っ端からかなーり、書きました
読んでる人がドンびかないか心配です(汗)
さてでは次の質問


【質問その2】
 小説を書くに当たって、美風様が脳内に描き出すイメージはどんなものですか? 例えば五感を駆使した疑似体験とか、映画のようなカメラ・ワークとか、漫画のようなコマ割りとか

 お、いいところ突いてきてるね
 では次に回答をだす

私の場合、脳内に描くイメージは――

『映画の撮影カメラのファインダー』

――の様な状態です。

つまりどういうことかというと

1:舞台装置となる都市の光景
2:そしてシーンの舞台となる地点の全景
3:そのシーンの時系列てきな情景となる『5W1H』
4:ストーリーに絡む設定要素を満たした登場人物たち
5:ストーリー上の背景設定を反映させた情景演出
6:ヴィジュアリティとしての演出効果
7:セリフとBGM

これら及び+αを頭のなかにおいたうえで動画としての映像をイメージするのですが、一本の映画映像としてカメラファインダーを向けたような状態でお話の必要要素をイメージはしていきます。気分的にはカメラマンであり映画監督です

これはグラウザーのようなアクションでも
メッポラのような18禁でも
スコップ猫のようなコメディファンタジーでも
10の少女~のような異世界ファンタジーでも

全く変わりません。

よりリアルな『動画』になるまでイメージを作り上げています

さて次に行く

【質問その3】
作品執筆の舞台裏で頑張っていることは何でしょう?
Web作家の皆様の中は何に注力していいか迷っている方も多いと思うのです

あー、これね。
特に長期連載している人は特にそうだろうね。あくまでも私のケースと言う事で話すね?

私が注力している点

1:スケジュール管理と時間マネジメント

時は金なり
アマ作家には時間がない。本業を別に持っているならなおさらだ
だから私の場合――

夜10時から深夜2時までは執筆時間
毎週月曜から木曜までがメイン執筆日
これが守れないアクシデントがある週は更新断念

まずこれ

2:時間の許す限り作品のイメージを固め続ける

仕事の合間に休んでいるとき
移動中で乗り物の中
一人になれるとき
いつでも作品のことを考えてます

3:頭のなかに『棚』をつくって、思考の切り替えができるように訓練

でも仕事もあれば、家族との交流もあり、親戚との付き合いも、それ以外にも色々と起きます
そうした事態にもすぐに対応できるように、
自分の作品のイメージをすぐに引っ張り出せるように頭のなかで記憶のきっかけとなる『強いイメージ』を決めておいて、すぐに連想出来るように自分を鍛錬しています。

(それだけ昔から自分の作品のキャラについて想像を繰り返していた)

私の場合、記憶のトリガーとなるのは『作品の設定文書』と『作品のイメージ曲』

そのため昔からワープロやノーパソは持ち歩いてましたし、
自分の作品のイメージとなる曲をあつめてライブラリにして持ちあるいてます
今はスマホのMP3ですが昔はMDやカセットでしたねー


4:とにかく資料集め!

小説は資料が無いと書けません
資料・資料・資料!

だから書店でも古書店でも、気になった書籍は何に役たつかわからなくても必ず買います。無理してでも買います。絶対買います。
つーか〝買え〟

最近ではブックオフとはお友達。一回に予算をきめておいてその予算の枠内で許す限りの資料購入を行います
(図書館はあまり役に立ちません。手元にずっと置いておけないでしょ? 書籍内容を丸暗記できないですし、あとから思い出すのはほぼ不可能。必要になった時に開いて閲覧なんて事もできない。コピー代が気にならないなら、コピーしてスクラップしておくのもありですが)

最近だと『昭和の結婚』と言う何に使うのか皆目検討の付かない本を買いました(笑)
とてもグラウザーには関係あるとは思えません
でも満足です

ただ資料事情にはちょっと意見が――

ジジ臭いオヤジ説教ですまないのですが

今の時代、ネットと言う素晴らしいメディアがあります
たとえば昔は重火器関係は資料集めが本当に大変でした
全て有料だし、自作品に最適なデータを得るのに本当に苦労します
ましてや警察の情報など昔は全く手に入らなかった。
(警察資料について調べてると公安にチェックされると言う噂もあった)
だから不足部分は想像にたよるしかない。

だが今は現時点での最新の情報がリアルタイムで手に入るんです!!

重火器はネットで製造メーカーのサイトから最新商品の資料が手にはいります。
YouTubeで戦闘兵器の最新映像が手に入ります
警察関係だと内部の人事考査結果まで見えてきます(ネットで丸晒し)

それらが無料なんです!
素晴らしい!!
だからね?

資料となるサイトを探してネットを徘徊するのも重要な資料収集だと思ってください!
ほんとにいい時代なんです!!(血涙)

さて――
実は質問があと一つ

【質問その4】
グラウザーくん達サイドだけでなく、敵サイドの人の裏話など聞けたら面白そうです。

これなんだけど――

『来週に回してだめ? (;^ω^)』

時間的にそろそろしんどい。

その代わりキャラメイクの裏話事情と題してたっぷりと解説します
可能だったら拳銃や武器関係の資料や知識の集め方なんかもお話します

いいよね?

さて――
では今回の特攻装警グラウザー打ち明け話②
本日はここまで! お疲れ様でした!
それでは! ありがとうございました!

ζ
■D:美風